出版社内容情報
<書物復権2005年・8社共同復刊>
ナチスの罪を心理的に否定し抑圧するドイツ人の精神風土を指弾した衝撃の作。批判の矢は保守主義のみならず司法、行政から一般市民にまで及ぶ。
内容説明
過去は本当に克服されたのか?戦後ドイツに広くみられる「犯人たちとの大いなる和解」を指弾し、過去の克服を通じて「人間としての方向性」を探る衝撃作。ヒトラー支配下での“第一の罪”を心理的に抑圧し否定する“第二の罪”はこう叫ぶ―殺したのは600万人じゃない、ヒトラーはいいこともした、我々は何も知らなかったのだ等々。しかし、著者自ら「非難攻撃の書」と呼び本書において、保守主義のみならず司法、行政、軍部から一般市民にまで及ぶ暗部がえぐり出され、真の克服が迫られる。
目次
第二の罪?―序にかえて
「他の連中だって罪を犯したのだ」―人間としての方向性の喪失について
ドイツ帝国一八七一‐一九四五年への訣別―人間としての方向性の喪失の歴史
レジスタンスとその敵対者―悪用された少数者
基礎‐犯人たちとの大いなる和解―われわれの間に残った人殺したち
国防軍と戦争‐神聖なるもの―ヒトラー・ドイツの主たる犯罪について
倒錯した反共主義―ナチスの過去に救いようもなく組み込まれて
指令された反ファシズム―「ナチスの遺産と東ドイツ」のテーマに一言
万歳、万歳、万歳!―恥辱の中心‐「総統」への愛
シュトラウスと義務的民主主義者―今も残る強い男への憧れについて
集団責任?集団無実?集団羞恥?―かつてヒトラーを信奉していた国民的集団の責任について
ちなみに「ドイツ難民憲章」―ある誤解された文書への遅まきのあとがき
反過激主義とテロリズム 主たる危険―防衛的民主主義のための弁論
ケリをつける試み―時代の持続的抑圧
ドイツ人であることの重荷について―あとがきにかえて