花の神話学

花の神話学

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  • サイズ B6判/ページ数 240p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784560049136
  • NDC分類 164
  • Cコード C0095

出版社内容情報

 美しくも神々しい花々、人々の養いの糧であった神聖な木の実や穀物――古代人のみずみずしい感性により記しとどめられた植物のイメージをつづり、読者の豊饒な神話の森のなかへと誘う。女流詩人による該博で華麗なこのエッセイには、福澤一郎画伯の装画30枚が付されて楽しい。

目次

花の霊魂―序にかえて
ヒヤシスの墓
没薬の涙
アドーニスの園
柘榴をもつ女神
水鏡に魅せられて
月桂樹への変身
葦の笛
葡萄の奇蹟
太陽を慕う花
血染めの桑の実
神の薔薇
巴旦杏縁起
あめんどうの杖
やどり木の神秘
世界のユグドラシル
林檎のある楽園
養いの母なるいちじく
暗い植物たち
メーデイアノ魔法
不死の薬草を求めて
蓮食いびと
太陽の昇る樹
糸を吐く娘
空桑に嬰児あり
月の桂
鬼には桃を
人参果
天地之中
光を放つ蓮華

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

21
ギリシア神話から聖書まで、さらに北欧、中国、日本とインドまで著者の知識の及ぶ範囲全てについての植物に関する神話を取り上げている。桃、薔薇、無花果、すもも、水仙、など数限りない。さらに単なる神話紹介だけに留まらず近代文学も関連付けて紹介してくれており、例えば、水仙の章ではナルキッソスの神話を取り上げ、続けてヴァレリーの「ナルシス断章」を引用している。さらにナルキッソス関連ではエーコーの話、アフロディテの話なども関連して語っており、各章で主役となる植物と神の周辺のエピソードも知れる。→2015/04/09

ndj.

4
以前より読んでみたかった一冊。奔放かつ残忍な神話の世界の自由さは日常の些末事からの良い逃走になる。女神の嫉妬おそるべし。ロミオとジュリエットの原型はバビロンの王女セミラミス時代のピューラモスとティスベーの話にあるらしいよ、とか、秘密の話をするときはテーブルに一輪の薔薇をさすらしいよ、とか、一冊でとても物知りになった気分。奥が深くて込み入っていて時折訳が分からない神話世界の整理にも良いです。2015/10/05

ふたば

3
植物にまつわる神話あれこれ。主に取り上げられているのはギリシア神話だが、聖書、北欧・中国・日本の神話、インド神話にまで及ぶ。ただ単に神話を紹介するのではなく、詩人多田智満子さんのみずみずしく鋭い洞察が行き届いてとても面白い。ギリシア神話も、オウィディウスによって流布したロマンティックな伝承をきっぱりギリシアの物と区別しているのが良い!語源にまでさかのぼり、様々な地域の植物神話の根元にまで思いをはせられる。今度から「ギリシア神話に興味があるけれど何を読んだらいい?」という人にはこれを薦めたい。2012/04/10

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