出版社内容情報
真の小説好きの味読に耐える長篇と珠玉の短篇を集める。端麗な文章と軽妙な諷刺で人間の愚かさといとおしさを鮮やかに描き出す、フランス文学の最高峰。収録作品:「バルタザール」「司祭の木犀草」「ピジョノー氏」「リリトの娘」「ラエタ・アキリア」「赤い卵」「アベイユ姫」
内容説明
端麗な文章と軽妙な諷刺で人間の愚かさといとおしさを鮮やかに描き出す、フランス文学の最高峰。真の小説好きの味読に堪える珠玉の短篇を集めた愛蔵版選集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こすも
15
坂井希久子さんの『リリスの娘』からの繋がりで『リリトの娘』が収録されているこの短編集を読んでみました。アナトール・フランスは、本短編集でいうと『バルタザール』など、西欧の伝承から着想を得た物語を簡潔・端正な文章で描く作風で、芥川龍之介が傾倒していたというのも頷けます。また、この短編集には、童話として有名な『アベイユ姫』も挿し絵入りで収録されています。本短編集で僕が一番好きなのは『リリトの娘』。21頁ととても短いお話ですが、盲目的に信念に固執する人の滑稽さを描いている、どこかカフカ的な面白さがありました。2017/10/09
きりぱい
7
「バルタザール」は、エチオピアの王がシバの女王を訪ねて恋に落ちるのだけれど、女王が性悪で散々な目に遭い、傷心を癒すために占星学に打ち込んだことから、気がついたら東方の三博士につながっていた話。きれいにまとまったな。「リリトの娘」のリリトはアダムの最初の妻で、え?イヴは?と思うのだけれど居たんですね、イヴの前に。当然禁断の実以前の妻だから、そのペナルティからも免れていて、良く言えば無垢、結果罪の意識なく男を誘惑する魔性の女?そしてそれは継承されると。あと面白かったのは童話調の「アベイユ姫」かな。2014/07/04
のえみ
0
アベイユ姫が面白かった。ケルト神話に浦島太郎が融合2016/08/24
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