内容説明
一九六八年、パリ。五月革命に揺れる街角で出会ったアメリカ人留学生と美しい双子の兄妹。古い映画への情熱で結ばれた彼らの共同生活は次第にエロチックな様相を帯びる。
著者等紹介
アデア,ギルバート[アデア,ギルバート][Adair,Gilbert]
1944年生まれのイギリスの小説家であり、映画・演劇評論、映画関係の翻訳(『トリュフォー書簡集』や『定本キューブリック』)なども手がける才人である。彼の小説『ラブ&デス』(1990年、邦訳角川書店、1998年)は、ジョン・ハートとジェーソン・プリーストリーの共演で映画化されている
池田栄一[イケダエイイチ]
1951年生。九州大学大学院修士課程修了。英文学専攻。東京学芸大学教授
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感想・レビュー
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Erika
3
映画の方は学生だった頃に観て、今でも好きな映画。不思議と年代を感じさせない映画は何年経っても強く記憶に残り続ける様に、この作品も20年前の作品だがすんなり馴染む。映画好きの兄弟テオとイザベルの危うい関係、そして彼等に魅了された留学生マシューを加え始まった共同生活。親が留守の間に始まった危険なゲーム。自分達だけの世界を築き退廃的な生活を送るうちに、いつしか外の世界では革命の波が起きていた。三角関係の話なのに嫌悪感を抱かないのは、彼等の関係から子ども特有の無邪気さを感じるからかもしれない。2025/03/23
ベック
2
内容的には退廃とエロスに彩られた幕間劇みたいな感じで、腐臭を放ちながらも美しい。バタイユの「眼球譚」をもっとノーマルにして現代におきかえたみたいな感じ?2006/08/30
kimumaki
2
ギルバート・アデアの『ドリーマーズ』を読んだ。ベルナルド・ベルトリッチの映画のために『聖なる子供たち』をリライトしたもので脚本ではない。映画とほとんど同様のシーンもあるけれど、無いシーンももちろんある。双子の兄妹に気後れしているマシューがやがて双子の親密な関係に深入りしていく事で解放されていく一方で、それに比例して双子の兄のテオが現していく嫉妬の気持ちが映画の方が弱い気がした。瞬間、そんな感情を示すシーンがあったと思うんだけど、小説の方がより具体的だ((あと書きにあるのだけど、小説版ではテオとマシューの肉2005/02/02
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- 和書
- 雨に祈りを 角川文庫