内容説明
克明な調査によって鮮やかに浮かび上がる魔術的作家の人生。
目次
第1部 鏡(パレルモでの静かな日々―一八九九‐一九一四;ヨーロッパ、そして読書熱―一九一四‐一九二一;詩とパンフレット書き―一九二一‐一九三〇)
第2部 書物(『スル』誌、エッセイ、最初の小説―一九三一‐一九三八;偉大なる小説とペロン―一九三九‐一九四六;高まりゆく名声―一九四六‐一九五五)
第3部 人(世界のボルヘス―一九五五‐一九六四;恋愛と結婚―一九六四‐一九六八;ディ=ジョヴァンニとの新空間―一九六八‐一九七二;若い目で見た世界―一九七二‐一九八六)
エピローグ 死後の生
著者等紹介
平野幸彦[ヒラノユキヒコ]
1967年生。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。新潟大学人文学部講師。十九世紀アメリカ文学専攻
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感想・レビュー
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あなた
15
村上春樹はいう。「いい文章を書くためには恋愛をたくさんしてください」。でも、ボルヘスは恋愛についてはとことんうぶだった。それでも彼は有限のエクリチュールの中に無限の宇宙=迷宮をつむいだ。それは私に勇気を与える。この伝記では彼の不器用な恋愛や親友のビオイとの微妙な確執についても書かれている。でも何よりもすばらしいのは国会図書館を密猟するボルヘスの描写だ。まるでそれはブレイクの謳った虎のようだ2010/07/19
misui
8
文字どおりの伝記。作品だけではうかがい知れない作家の姿が見いだせる。特に性の問題が強調されており、この点、ややゴシップに傾きすぎるところがあるものの、等身大のボルヘスが浮かび上がってくる。母親や恋人たちの間で自身を不幸と考える内気なボルヘス、政治には疎いボルヘス、盲目の図書館長ボルヘス、夢見ることに生涯を捧げたボルヘス、イギリス好きのボルヘス、ジュネーブに眠るボルヘス……。2011/12/04
Kei
1
面白くなかった…著者(アメリカ人だと思う)はいったい何者なんだろう…ボルヘスを描いて、こんなに面白くない本が出来上がるとは…2012/08/30
R
1
作家の生涯と作品は密接に結びついているけれど、知らなくいい事もある。知りたくないこともある。2011/09/18
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