出版社内容情報
父王の選んだ無骨な男との結婚に難色を示す娘ガートルード。意に沿わぬ結婚生活のはて、次第に夫の弟に心を許していく……。ハムレットの母になる女の心理を鮮明に追った長編小説。【編集者よりひとこと】本作は、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』に取材した作品で、ハムレットの母ガートルードを主人公とした長編小説です。作者の華麗な文体で彩られた物語は、ガートルードという女性の心の移り変わりを見事なまでに写し出しています。そして、この作品の最終章が『ハムレット』の幕開へと続きます。各章ごとで主な登場人物の表記が変わりますが、これは、古代ハムレット伝説などを作者が参考にした結果です。『ハムレット』前史ともいうべき本作を是非、お楽しみください。
内容説明
16歳の小娘が、父の勧める無骨な若者との結婚話に難色を示した…。ハムレット伝説を基に、恋に落ちた女の生き様を鮮烈に綴った問題作。
著者等紹介
河合祥一郎[カワイショウイチロウ]
1960年生まれ。東京大学英文科卒。東京大学とケンブリッジ大学より博士号取得。現在、東京大学大学院総合文化研究科助教授。専攻はイギリス演劇・表象文化論
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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loanmeadime
17
面白かった。十年前に読んだ「ハムレット」は小田島雄志さんの「にがいぞ、にがいぞ、にがよもぎ」と島木譲二さんの「しまった、しまった、島倉千代子」との関係についての考察に終わってしまったのですが、この本を読んで、オフィーリアの精神に重大な打撃を加えたハムレットの行状にあった背景を想像でき、そういう目でもう一度読んでみよう、という気になりました。学生時代に「走れウサギ」を読んで以来のアップダイクですが、あれも読み直してみましょう。2022/01/31
Mana
5
ハムレットの母ガートルードの物語。この間読んだオフィーリアより面白かった。最初名前がみんな違ったので戸惑ったけど、デンマークの名前みたい。(のちに改名してる)2018/11/17
えふのらん
3
義弟との不倫に愛を見出したデンマーク王妃の物語。実父をデンマーク王に殺され、仇のための政略結婚に処女を奪われ、権力闘争に翻弄されてきた女性が義弟の一挙一動に心ときめかせる様子がこそばゆい。はじめての鷹狩、外交官として訪れた欧州で見た荒廃した村々の風景やスペインで見た中東製の工芸品の感想、シルクロードに乗ってやってきた絹のドレスの贈り物、情熱的で身体を包むようなセックス。息苦しい封建時代の雰囲気を吹き飛ばすような、とろんとしたムードが楽しい。2016/05/27
tom
3
シェークスピアの「ハムレット」の母親の物語。アプダイクの本を久しぶりで読んでみようと借りてきたのだけど、なんだかとても面倒くさい話だった。流し読み。2013/01/21
Armadillo Hidaka
2
素晴らしい!! ガートルードの人物像の描き方に痺れた。生き生きとというか肉と血が感じられるような。両手でガートルードの二の腕が掴めそうな生々しさ。 クローディアスももちろん、ポローニアスもアップダイク流の解釈で、魅力的に見せてくれる。この本を読んで楽しむことができて...「ハムレット」を読んでよかったよ!(「ハムレット」があまり好みではないので...) シェイクスピアのハムレットの何倍も楽しめて心が震えたよ! 惜しむらくはちょこっとだけど、訳が読みにくい...(原文に忠実なのかもしれないけれど) 2015/03/30
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