出版社内容情報
忘却術などありえない――エーコも断念したこのテーマに希代の碩学が、忘却とは、生とは何かを問いつつ、ホメロスからコンピュータに至る事例を実り豊かに探り、未踏の文学空間へと誘う。
内容説明
「かつて存在せず、理論的にもありえぬ学問分野を案出しよう」ウンベルト・エーコが提案し結局は断念したこの知的遊戯に、ロマンス学の碩学が満を持して応えた話題作。記憶とは、忘却とは何かを問いつつ、ホメロスからクンデラ、コンピュータに至る事例を実り豊かに探る。
目次
第1章 言葉のなかの忘却
第2章 人間も忘れれば神もまた忘れる
第3章 その性忘れやすき理性の機知
第4章 啓蒙思想と忘却
第5章 思い出すのも剣呑、忘れるのも剣呑
第6章 忘却の術から湧き出る新たな力
第7章 忘却の詩学
第8章 忘れる権利は誰にもある。だが忘却することで安寧が得られるか?
第9章 アウシュヴィッツ忘れまじ
第10章 コンピュータに蓄えた、すなわち忘れた!