出版社内容情報
「スーツ」。現代人にとってのシンプルで優秀な必需品とも、退屈な代物とも称されるこの衣服形態は、中世騎士にその端を発するという。数世紀にわたる衣服の変遷を豊富な挿図とともにたどり、男性服/女性服それぞれの中にコード化された美的・性的・社会的なメッセージを読み解く、画期的な一冊。
内容説明
シンプルな必需品とも、退屈な代物とも称されるスーツ。その歴史をたどり、われわれの衣服の中にひそむ美的・性的・社会的メッセージを読み解く、画期的な服飾史。
目次
第1章 はじめに(性とモダン様式;ファッションとは何か)
第2章 ファッションの作用(ファッション、非=ファッション、反=ファッション;ファッションの意味 ほか)
第3章 スーツの誕生(深まる性差;理性とファンタジー ほか)
第4章 モダニティ(ワースとその影響;女性服の改革 ほか)
第5章 現代(インフォーマル;セクシュアリティ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
DEAN SAITO@1年100冊
10
          
            美術史家でもある著者の考察が大変深い。スーツスタイルではないラフ格好(ジーンズにTシャツとか)の「フォーマル化」なども、<スーツを嫌って代わりにTシャツとジーンズを着る男がいる。しかし、その組み合わせも結局、従来下着であったものを含んだ形での完璧な伝統的衣装ということになってしまうのである。隠れていたものを表面に登場させるという、お馴染みの衣装革命の手法を利用しているにすきない。>と切って捨てるところが力強い。加えて、要所要所で挿入される挿絵が美しい。2019/12/31
          
        さとちゃん
4
          
            原題は"Sex and Suits" 訳:中野香織。1997年発刊。著者が美術史家だからか随所におおっとなる絵が参照として掲載されており、それを眺めるだけでも楽しい。が、論考はびっちりされているのでかみ応え抜群。男性のスーツを軸として、衣服が示す美的・性的・社会的メッセージをいかにして読み解くのか、じっくり考えることができました。誂えのスーツをビシッと着こなす人がどうして格好良く見えるのか、何となくわかったような気がします。2023/12/03
          
        田中はにわ
2
          
            図書館本。現代男性の正装とされる「スーツ」の成立に関して。「スーツ」のエロみの根源を知る。2019/01/21
          
        ぞくちょう
0
          
            スーツがいかにして出来上がったのかをジェンダーや政治史とも絡めながら記した本。 変遷と展開を見ることができて良かった。2018/08/01
          
        

              

