出版社内容情報
その不思議なヴァイオリンの妙なる音色が、若きモーツァルトの宿命的な孤独を、ベルリオーズの報われぬ恋を、戦争難民ストラヴィンスキーの痛みを癒していく。ストラディヴァーリが1699年につくり上げた畢生の名器《アントニエッタ》が、大音楽家たちの人生を変えていく愉快で感動的な物語。
内容説明
1699年、ストラディヴァーリは55歳にして恋に落ち、その陶酔のなかで稀代の名器をつくり上げた。「アントニエッタ」と名づけられた一丁のヴァイオリンはモーツァルト、ベルリオーズ、ストラヴィンスキーへと、そしてインサイダー取引きに明け暮れるとある富豪の手にわたる…。この幻の名器が300年にわたって遭遇する愛と冒険の譜。