出版社内容情報
『フロベールの鸚鵡』『10.1/2章で書かれた世界の歴史』と、知的で愉快な小説のはなれわざを見せたJ・Bが「普通の」小説に挑んだ。一人の女の一生を、少女時代から結婚生活への幻滅、世界の七不思議を求めての旅と、2021年までたどっていく。もちろんJ・Bならではの皮肉な人生観察も効いている。
内容説明
『フロベールの鸚鵡』『10・1/2章で書かれた世界の歴史』と、知的で愉快な小説のはなれわざを見せたJ・Bが「普通の」小説に挑んだ。一人の女の一生を、少女時代から結婚生活への幻滅、世界の七不思議を求めての旅と、2021年までたどっていく。もちろんJ・Bならではの皮肉な人生観察も効いている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maimai
3
破たんを恐れぬ構成。表現のために、あえて小説として破たんしているとも見える構成をとることを恐れないことを、意図的に示そうとしている、といおうか。つまり、「破たん」という強調。ただ、その試みが必ずしも成功しているようには思えなかった。2017/04/19
ロピケ
2
生きている間ずっと、世界や人生について問い続けた女性と息子。答えなんて見つかりっこないんだけれど、聞かれた方も困るし、今更そんなこと聞いて…と呆れるかもしれない。正直すぎる。こんなユニークな人間が周りからどう扱われるのか。どんな人生を送るのか。ということも読ませるけれど、ここで発せられている質問が何とも魅力的で、私だって答えが気になって仕方ない。リンドバーグのサンドイッチ。リンドバーグの著書にも答えは書いていないのだろうか?題名から、この間の金環日食のこともちらっと頭に浮かんだ。2012/05/30
きうりっち
1
面白かった。20世紀に生まれ100年近く生きた女性、ジーンの一生。あとがきでは平凡な一生と書かれているが私にはとても波乱にとんだ人生に思える。ごく平凡だが誠実な男性と結婚し、徐々に幻滅しつつ日々を送るうち思いがけず40近くなって妊娠する。それを機に家を出て一人で子供を産み育てる。それって相当に非凡な行動だと思う。登場する人々はみな善良ではあるがどこかユニークにずれていて、自分の生き方に疑問を持ちつつ答えを求めて肉眼で太陽をみつめる方法を探している。ジーンのように生きたいと切に思う。2019/02/23
mejiro
1
始めはストーリーに興味をそそられなかったが、気がつくと文章を味わうように読んでいた。主人公の結婚生活と旅の経験から出た言葉、「結婚は家族計画を実行するためのものだった」が何とも言えない。自分は馬鹿だと自覚しながら、主人公は生きることを探求し続ける。その姿が冒頭と結末のシーンに重なる。幻想や奇抜なトリックを使わずに読む人を引き込む著者の実力、平凡な人生を描く手腕が素晴らしい。2014/07/23
勉誠出版営業部
0
ジュリアン・バーンズの『太陽をみつめて』を読了。一人の女性と、その息子の半生を描いた作品。人生の悲哀が巧く表現されているような。2015/06/15