フロベールの鸚鵡

フロベールの鸚鵡

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  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784560044544
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

 文豪フロベールの生涯をめぐる2羽の鸚鵡の謎。「僕」のフロベール探究の旅は、「僕」自身の過去に、妻の自殺に思いを馳せながら次第にその色合いを変えていく。伝記とフィクションの巧みな融合、アイロニーとパロディ、そしてときには優美な絶妙の語り口で英・仏・伊の文学賞を独占したイギリス小説。

内容説明

『フロベールの鸚鵡』は、面白おかしい冗談と真摯な叙述を驚くほど巧みに交錯・結合させた小説である。ここには、文学的考証があり、文学評論があり、文学的実験の展開がある。政治、経済、テクノロジー、いずれ分野においても、あらゆる問題に手ぎわのいい即答が要求される現代にあって、この世には真の答えなど存在しない問題もあるのだということを、ジュリアン・バーンズは敢然と、しかも典雅なユーモアをもって我々に想起させる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

NAO

78
年譜やフローベルに関する多数の引用といった事実、小博物誌や『紋切り型事典』のパロディ、試験問題風、など様々な形態をとりながら、語り手である医師のフローベルに関する思索、はたまたフローベルとは関係のない語り手自身の人生などが描かれている。こういった、形式の奇抜さが、ガーディアン必読書のコミック部門にノミネートされているゆえんなのだろう。また、ブッカー賞にノミネートされているが、フランスではグーテンベルク・ベスト・エッセー賞を受賞しており、小説かエッセーかの判断が難しい作品といえるのだろう。 2019/09/13

三柴ゆよし

16
本書はフロベールが傑作「純な心」の執筆にあたりモデルとした鸚鵡(剥製)の謎をめぐる文学ミステリであり、フロベールと彼の周辺人物をめぐる一種の伝記であり、年譜、パロディ、告発と反論、試験問題といった数々の仕掛けで読者を楽しませる贅沢なポスト・モダン小説であり、『白鯨』が鯨に関する知識をこれでもかと詰めこんだ百科全書小説であるのと同様に、フロベールの百科全書小説であり、更には作家と作品の関係についての考察までしちゃうという、あまりに器用な小説である。ここまでやられるとむしろムカつくが、おもしろさは保証する。2012/03/19

三柴ゆよし

11
むかし読んだときはけっこうおもしろかったはずなのだが、フロベールにハマってから読みかえしてみると、これがビックリするほどつまらない。全篇スベりまくっている。フロベールの名を冠しておいてこれはちょっとないのではないか。まあ、要するに、自分がフロベールを好きすぎるのであろう。2020/06/11

バナナフィッシュ。

4
1人の作家の人生を考察するのに、あまり見ない形式。小説と評論と、伝記の合いの子。2024/02/04

MK2

2
フロベールの作品を読んでいなかった…残念、ガーディアン必読小説1000冊26/10002015/09/08

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