出版社内容情報
ロゼッタ石に刻されたエジプト文学の研究に打ちこむシャンポリオンを主人公に、解読という行為に憑かれたひとりの人間の運命を描きだす。ボルヘスの短篇を思わせるような不思議な筆致によって浮かび上がるのは、書物に埋もれたエジプト学者ではなく、古代エジプト人の最後の生き残りなのである。
内容説明
ロゼッタ石に刻されたエジプト文字の研究に打ち込むシャンポリオンを主人公に、解読という行為に憑かれたひとりの人間の運命を描きだす。ボルヘスの短篇を思わせる不思議な筆致によって浮かび上がるのは、書物に埋もれたエジプト学者ではなく、いわば古代エジプト人の最後の生き残りなのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
S.Mori
26
ロゼッタ・ストーンを解読したシャンポリオンの生涯を描きながら、文明批評や詩的な言葉遊び、人生の本当の意味などを織り込んだ素晴らしい小説です。彼の人生には不幸な面がありました。経済的に恵まれず、兄の援助で生計を立てた人生。それでも誰もできなかったヒエログリフの解読に成功しました。作者はこんな生き方をライオンになぞらえています。シャンポリオンとライオンと韻を踏んでいるところが詩も書く文学者らしいです。最後の章の「人類博物館」が強烈。西洋の知に一撃を食らわせ、シャンポリオンの純粋な生き方を賛美しています。2020/08/23
kinaba
0
シャンポリオンへの詩的な賛辞2011/07/04