出版社内容情報
1986年プラハで、死の前日に書かれた手紙を含むカフカ最晩年(22-24年)の両親宛書簡類が発見された。ベルリンでの困窮、父親の影、声を失うことの恐怖、迫る死。一級資料であるばかりか、カフカ文学そのものも伝える比類なきドキュメント。人生最後の同伴者ドーラの追伸や書込みも完全収録。
内容説明
1986年、プラハで、カフカ最晩年の両親宛書簡類が発見された。ベルリンでの困窮、父親の影、声を失うことの恐怖、迫る死。一級資料にして、カフカ文学そのものも伝える比類なきドキュメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねむ
6
カフカが死の直前まで家族に宛てて書いていた手紙集。物価の高いドイツで厳しい暮らしを送るなかで両親からの仕送り品にお礼を言ったり、日常的な話題も豊富で、文学者というよりは生活者としてのカフカの姿が垣間見えて、親との関係や気の使い方という面でも親近感が持てた。最後の手紙にも、そんなに死期が迫っているような気配は感じず、あっけなさがまたカフカらしい。2021/05/12
Tonex
3
カフカ全集の日記と書簡の巻を一通り読んだので再読してみたら、面白さの質が変わった。欠けていたジグソーパズルのピースがカチッと埋まる感じ。年表やカフカ全集と照らし合わせながら読むとものすごく面白いが、ものすごく時間がかかる。2015/11/26
Tonex
3
1986年に発見されたカフカ最晩年の手紙と葉書を1990年にヨーゼフ・チェルマークらが書簡集にまとめたものをドイツ文学者の三原弟平が日本語に翻訳して1993年に出版したもの。注釈(他の手紙からの引用、さまざまな証言、資料など)が詳しいので、カフカの最晩年の様子が立体的に伝わってくる。 →訳者あとがきについてコメント欄に追記。2015/11/07
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