死を忘れるな

死を忘れるな

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  • サイズ B6判/ページ数 307p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560042700
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

21
ミステリの定石なら、謎の電話をきっかけに登場人物がそれぞれの人生を考え直したり、それまでの人間関係が崩れていったりするものだ。しかし本作ではこのような展開は一切なく、老人達は動じない。彼等の関心は「犯人が誰かのみ」だ。改めて他人様から言われる筋合いなどありませんよ、というスタンス。「生と死」や「老人のあるべき姿」などというもっともらしい命題をまともに考えようとすると必ず不条理の壁にぶつかる。老人達があっちへ行っては愚かな真似をし、こっちに戻っては醜い姿を晒す、という奇妙な世界を楽しまれるのが良いのでは。2015/08/09

きりぱい

7
「死ぬ運命を忘れるな」と、79歳の女性の元に謎の電話がかかるも、高年齢キャラが続々登場し、ミステリーに思えた展開はどこへやら!老人とは思えない込み入った愛憎関係は、最初はややもったりしながらもいぶしぎんの面白さ。動作はもたつくのに頭は若いという、衰えているのかいないのかわからないパワーが可笑しい。作家のチャーミアンが魅力的。奇妙だけど読後感は悪くない。2010/08/05

eucalyptus

6
死とユーモアの作家ミュリエル・スパーク。79歳の老女のに「死を忘れるな」という電話が頻繁にかかってくる。老女の幻聴だと警察はろくに取り合わない。彼女は犯人を捜しだそうと奔走したり、素人探偵(70歳)に相談したり妄想したりしてもわからない。そうこうしているうちに不審電話は他の老人たちにもかかってきて…。登場人物は7、8、90代のお年寄り。老人描写は結構リアル。死をテーマにしてますが、どたばた劇的な要素もあり暗い雰囲気はいっさいなし。皆元気に人を軽蔑したり気を遣ったり秘めたるイロコイしたりと楽しそうです。2012/01/19

ホッタタカシ

3
昔読んだはずだが、忘れてしまったので再読。老人ばかりが出てくる奇妙なサスペンス小説。「死を忘れるな」の電話の主は? 一種の不条理小説であり、介護・認知症問題を描くユーモア小説であり、“老い”を巡る哲学的思弁小説としても読める。こういう内容の長篇を1959年の時点で書き、しかも著者当時40歳ということを考えると、スパークがなかなか食えない女性作家であることを改めて思い知らされる。2013/11/05

dubby

1
面白い。ただ「シンポジウム」のほうが完成度高いと思う。2011/08/14

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