感想・レビュー
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dilettante_k
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原著1884年。普墺戦争に敗北し、公国を追放されたカール・デステ大公。第二帝政下のパリに家族とともに亡命し、捲土重来を果たすこともできず莫大な財宝のなかで燻るかつての暴君は、周囲に群がる怪人物、妖婦に家族や財貨を蝕まれていることも知らず、蕩尽に浸るままに過ごす。やがて子供たちは死や狂気に去りゆき、老いていく大公の前に、ドイツ帝国を凌ぐ新興勢力、資本家たちが台頭していく。ルートヴィヒ2世とブラウンシュヴァイク公のアマルガムを主人公に据え、ワーグナーをライトモチーフとした王侯の落日を描く世紀末の見本的作品。2015/03/22
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