感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばん
3
400p越えで二段組み。映画化はされているが、5時間超。フォンターネの中でも格別の長編。シュテヒリン湖のほとりに邸を構えるシュテヒリン家の父子と、上流階級の人々のやり取りが、明確なドラマを成さずに、しかしながら森閑とした空間にも時間が流れるように筋は運ばれ、結婚や死という人間の因縁に迫った作品。会話はテンポよく、19世紀末の虚無感も見据えた傑作、エピソードも逐一面白く、機知の豊富さがより透明な色合いと味わいを手に入れている。北の海辺も好きだったが、それとは違う良さがある。2012/09/29
taskun
0
19世紀後半くらいのプロイセンのフォン・シュテヒリンという架空のマルク貴族の生活を描いた話。選挙のエピソード以外は最初から最後まで登場人物の会話が主で淡々と進む感じ。当時の貴族の風俗や軍隊、時折挟まれるフリードリヒ大王に関するエピソードには興味深いものもあるが、あまり展開に波がないので、物語としてはちょっと読み通すのが大変だった。2011/12/12
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- 和書
- 現代少年詩集 〈’97〉