出版社内容情報
グリム昔話(メルヘン)はなぜ残酷なのか、子どもたちにどのような影響を与えるのか。また、伝説・神話・宗教といかなる関係・差異をもつのか。心理学・構造分析・民俗学など最新の成果をふまえて、昔話にまつわる数々の課題をわが国グリム学の泰斗が解明した、永年の研究の集大成。
内容説明
昔話はなぜ残酷なのか?従来の研究を「後ろ向き」と批判し昔話にまつわる様々な問題を解き明かす。わが国グリム学の泰斗による壮大なパノラマ。
目次
1 昔話と子ども(グリム昔話の残酷性―子どもに及ぼす影響;昔話は子どもの本としてふさわしいか;グリムの昔話の文体―子どもが視野に入ってきた)
2 昔話と現代文学(反童話―ビューヒナーとカフカ;昔話とブレヒト;昔話とリルケ―初期のメルヘン・晩年の世界)
3 昔話と聖なるもの(グリムの昔話とキリスト教;昔話と伝説―あこがれとあきらめ;神話と昔話―宗教的意識と文学的意識の弁証法)