内容説明
誤訳はなぜ起る?言葉の面白さ、不思議さを追求しながら〈誤訳現象〉と比較文化論の意外な関係を衝く。
目次
劇と役者
言語生態学
話の場―反誤訳の活動家別宮貞徳あっぱれ
言語と行為
話せること、話せないこと―一般の翻訳に誤訳はどのくらいあるか
論戦
言葉の遊戯
言語の盲信的愛国心―小泉八雲の文にみる和訳し難い英語の方言
言語に支配される人類
世界についてどう話すか?―A.コナン・ドイルのもう一つの小説が和訳されない理由
換言すれば
話し手としての人間
子供の言語―マザー・グースの悲劇
口語
結合―和訳不可能の意味総合体=ジョイス
言語の変遷
バベルの塔の修復
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobu A
11
ロビン・ギル著書初読。1987年出版。先日読了の米原万里著「不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か」に神業のような訳出が紹介されていたので読まずにいられなかった。中古本を購入し実際に手に取る。昭和臭が強く残る装丁。夥しい数の注釈が同時進行で延々と続く。一言で言うと衒学的。読み難い。誰を対象に書いたのか。誤訳を指摘した本は結構あるが、それよりも素晴らしい翻訳を多く紹介しないのか不思議。紹介されていたような名訳が沢山掲載されているかと思いきや、完全に読みが違った。途中から流し読み読了。図書館本にしなかったのを後悔。2023/01/04