出版社内容情報
カモメの父親と母親の間に、卵をめぐって争いがおこる……その顛末は? ヘビが教えてくれた、人間の離婚と進化論をめぐる関係は? そのほか動物たちの人間にあまりにもよく似た行動を、従来の動物行動学からさらに一歩踏みだしたユニークな視点で解き明かす愉快なエッセイ集。
内容説明
子育てをめぐってカモメが夫婦喧嘩―。恐竜からゴキブリまで、人間そっくりの動物たちの習性を通じて、第一線の生物学者がわれわれの行動様式にユニークな考察を加える。
目次
第1部 モノマネドリはなぜ鳴くか
強く優しいチチュウカイミバエの雄
ゴリラのお母さん
エジプトネズミの領地で
ドラキュラがようやく眠りにつく
カモメの離婚
ハトクラブの会員
新しいエデンの園、けものたちの都会
ゴキブリについての報告
第2部 アルファルファ共同体
シビレエイの科学
ヘビの気をそらす
恐竜ができるまで
科学者をつくる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
2
昆虫学者の著者による、動物にまつわるエッセイ。動物の行動を観察し、人間側の思い込みによる擬人化へ釘を刺しつつも、そこに動物なりの世界観を見つけようと考察。ゴリラの育児能力は本能ではなく学習されるものか?都市で人間と共生する(ペットではない)動物たちの諸相。カモメが見せる離婚のような行動。雌獲得の競争に負けて、屈辱で憤死する(としか思えない行動)ゴキブリ。地面に伏せて、下から覗くアルアルファの畑の中に広がる虫達の生態系(畑の持ち主のおじさんがいい味)。そして、展覧会で使われる恐竜ロボットの製作の話は珍しい2019/01/22