ミュージアムの思想

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  • サイズ B6判/ページ数 276p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560038987
  • NDC分類 069.04
  • Cコード C1070

内容説明

ミュージアムとは、美術館、博物館にとどまらない広領域の概念であり、西欧近代のみが創り出しえた全世界の一元化をめざす思想である。本書は新しい視点からミュージアムをとらえ直す刺激的な論考。

目次

序章 ミュージアムとは何か
第1章 コレクションの制度化(コレクション再考;王権と教権;宮廷コレクションの拡大)
第2章 コレクションと帝国理念(世界のカタログ化;政治の視覚化;ユートピアから科学へ)
第3章 ミュージアムの思想(自然の征服;新しい「神殿」の建設;「芸術」の誕生;保存の思想・排除の思想)
終章 ミュージアムの思想の拡がり

著者等紹介

松宮秀治[マツミヤヒデハル]
1941年東京都杉並区に生まれる。早稲田大学第一文学部(ドイツ文学専攻)卒業。同大学院修士課程・博士課程を経て、立命館大学文学部に職を得て現在に至る
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Meroe

3
ミュージアムは西欧近代のものであるがそれを隠蔽しながら普遍的価値として世界中に広がっている。ミュージアムの思想は「ものを蒐めることによって世界を所有する」ということであり、そこでは一見相反する「保護」と「公開」が一体化する。近代のミュージアムを問題としながら、それを準備したヴンダーカンマーや宮廷コレクションに割かれている記述が多い。近代では、「美術館」(美への巡礼、国民文化)型のフランスと「博物館」(技術の進歩、世界の所有=帝国主義)型のイギリスの対比が面白い。2012/04/24

るるぴん

2
やっと読み終わった。引用も多く、文章表現が難しいところも多く挫折しそうだった。教会の聖職者が貴重な図書文献を収集したのが事始め?権力が王権に移行するに伴い、権勢を誇るための美術品が必要で、装飾華美の極みに至ったところで、市民革命により、民衆が中心のコレクションに変貌。以降開かれたミュージアムは、人間の野心、所有欲に火をつけ、民衆の欲望の解放が帝国主義思想に結び付き、以来西洋の概念による攻撃的で破壊性を伴う行為を人知れず拡張し続けている。ミュージアムは西欧的な価値の共有を強制する思想である。2017/11/17

takao

1
ふむ2021/08/03

わきが

1
ミュージアムに収蔵されているコレクションだけに限らず,文化遺産,自然遺産などを「保存」し,「公開」することについて考えさせられた.「劣化からオリジナルを守る」という物そのもののの技術的な保存だけでなく,もっと根底から「保存」することについて考えたい.エルンスト・ユンガーに興味をもった.2015/04/02

しえろ

1
普遍的とも思えるミュージアムというものも、実は西欧の思想なんだね2011/09/27

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