出版社内容情報
モーツァルトの人と音楽を深く愛したフランスの文人ゲオンがこの天才に寄せる熱烈な想いを自由に、率直に語ったエッセイである。評伝風に文献考証や楽理解剖を施したものではないが、モーツァルトの本質を鋭く的確に捉えており、著者の抱くモーツァルト観が余すところなく告白されている。
目次
第1章 5歳から10歳まで―前途を約束された時代
第2章 最初の道草―ザルツブルクの表情
第3章 道草つづき―彼は信仰をもっていたのか?思想をもっていたのか?
第4章 10歳から20歳まで―作曲家か演奏家への道か?
第5章 21歳から23歳まで―アロイージアとパリ
第6章 23歳から26歳まで―『イドメネーオ』から『後宮よりの逃走』
第7章 ハイドンに捧げた最高の四重奏曲と未完のミサ曲―ヨハン・ゼバスティアン・バッハの影響のもとに
第8章 花開く天才と人気―一連の《ピアノ協奏曲》と『フィガロの結婚』
第9章 無償の傑作―『ト短調五重奏曲』から『ドン・ジョヴァンニ』、最後の《三つの交響曲》まで
第10章 裸身と嘲笑 作品の減少と純粋芸術―『クラリネット五重奏曲』から『コシ・ファン・トゥッテ』まで
第11章 死の予告―『ドイツ舞曲』から『変ホ長調五重奏曲』、『魔笛』まで
第12章 中断された『レクイエム』―無名の栄光に・結論