ワンマン・ショー

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  • サイズ B6判/ページ数 155p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560035832
  • NDC分類 912.6
  • Cコード C0074

内容説明

サスペンスフルで幾何学的なスタイルが、選考委員から大絶賛!「懸賞マニア」をめぐる、色とりどりの奇妙な世界。第48回岸田国士戯曲賞受賞作品。

著者等紹介

倉持裕[クラモチユタカ]
1972年神奈川県生。学習院大学経済学部経済学科卒業。ペンギンプルペイルパイルズ主宰。『ワンマン・ショー』で第48回岸田国士戯曲賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あなた

6
誰でもないものが俄然としてあることの不気味さ、が定点となっている。いま・ここにいる、ということそのものが、何かが圧倒的に欠如し、私自身も私自身ではないのだ、ということを立証するという仕組みになっている。舞台の最後に、懸賞ハガキが充密したダンボール箱のなかから這い出してくるのは、これまでの登場人物たちであり、その懸賞ハガキを執拗に書き続けていた主人公自身でもある。舞台の臨界点がなく、その段ボール箱ひとつから、妻のよだれのように液状に世界が染み出し、漏れている。(続2009/08/22

ふう

5
第48回岸田國士戯曲賞受賞作。読み終えて頭に浮かんだのはルービックキューブ。遠くから見て揃っているようでもまるでチグハグで、かっちり色が揃っていても私はそこに存在しない色を見る。色とりどりのキューブを”完成”させたら白一色に変わってしまったようなそんな読後感。箱に投げ込まれ続ける行先のないハガキ。そこから這い出す人やモノ。あぁ劇場をハコというよなーと思ったりもして。ワンマン・ショーを演じていたのは誰なのか。私はただの読者、ただの観客でいいのか。戯曲って読んだ方が面白いというか考えさせられるもんだと実感。2016/03/31

九鳥

3
一番大好きな劇団「ペンギンプルペイルパイルズ」の戯曲。初演のときにややこしすぎて劇場で売ってたバラ紙の戯曲を買ったけど、岸田國士戯曲賞で出版を機に購入。説明が長い。入り組んだ物語を組み立ててこういう形にするところが自分にない要素なので面白い。

TH−05

1
演劇は好きですが戯曲は読み慣れてなく。 セリフの掛け合いを読んでも舞台の様子がイメージできなくて苦労することが多いのですが…。 『あ!この劇見たことある!』 作者の倉持さんが主宰する劇団“ペンギンプルペイルパイルズ”の劇は見た記憶があるのですが、何の作品を見たかはすっかり忘れていました。 読み進めるうちにまるで作品の再演を見ているかのようでした。 演劇表現らしい手法でトリックを盛り込みながら描かれる作品だったので、この本を読んで「舞台見といてよかったな」と思いました。2012/01/14

あなた

0
「それでも青井さんが愛した人ですからね…恋敵とはいえ、青井さんのすべてを愛そうと誓った私は、青井さんの愛する人も愛さねばなりません。このへん『愛のパラドックス』です」 愛にかんするすてきなセリフがたくさん詰まった戯曲。みんなへんな愛で、しかもその愛は微妙に届かない。まるではじめて口にするかのようにゆうが、あらためて、愛ってなんだろう。「これは私が四番目に好きな曲よ」 誰かにとって四番目のめまいのような世界を試行錯誤して、でもそれはほんとうはただの小さな箱かもしれなくて、愛の〈メロンの迷路〉のような話です。2021/11/24

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