エレウテリア(自由)

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エレウテリア(自由)

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560035214
  • NDC分類 952
  • Cコード C0074

出版社内容情報

 舞台はパリにあるクラップ家の居間。夫妻の悩みの種である息子ヴィクトールの無気力な生活態度をめぐり、とりとめのない会話が続く。この作品は『ゴドーを待ちながら』の先行作で、ベケットが、生前、出版・上演を拒否した幻の処女戯曲。3幕。エレウテリアとはギリシア語で「自由」を意味する。

内容説明

舞台はパリ。クラップ家のサロン。一人息子ヴィクトールの無気力な生活をめぐり、とりとめのない会話が今日も始まる…。ベケットの処女戯曲。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

zirou1984

39
ベケットの処女戯曲であり、生前は出版も上演も拒み続けられた幻の作品。確かにチェスにおける終盤の局面のような、切り詰められた語彙で条理あらざる道の最適解を導き出すあのベケットらしさは少なく、メタフィクショナルな演出を笑ってしまう余裕すらある。ある意味、最も安心して読める彼の作品なのかもしれない。何もしない自由という不自由さに執着するヴィクトールに吸い寄せされるように集まる人々、彼らもまた不自由なまでに饒舌だ。ベケットは本作前後から母語でないフランス語での執筆を開始し、あの自己消失的な文体を体得してゆく2014/06/10

roughfractus02

2
ゼウスを称える解放者のギリシャ的意味でも、律法を守るヤコブの完全な自由という聖書的意味でもない。本書の表題は干渉からの自由にあり、社会も自己も捨てるという意味のようだ。一方、観客をも巻き込みメタシアター的に拡大する干渉主義は、ヴィクトールに加えて他の人物にもその網の目を張り巡らす。その中で、窓の修繕が必要な下宿部屋で窓のないモナドになりきれぬ主人公と登場人物の冬の3日間の会話にふと笑いがこみ上げてくるなら、読者(観客)はこの干渉主義の外にいることになる。もしそうなら、作者の言う通り、本書は失敗なのだろう。2017/07/29

じめる

2
「僕は決して自由にはならないだろう。だが、絶えずそうなりつつあると感じるだろう。」ヴィクトールのこの漸近的な感覚は、漸近は決して到達しないという真理を正確に感じ取りながら、あくまでその状態に落ち着くことで希望を感じる。しかし接近し続けることは状態の停滞でもある。2014/04/25

葛井 基

1
確かに大傑作とは言えないかもしれないが、面白く読めた。自由とは、何もしない自由のこと。現代日本の引きこもりについての演劇。時空を超えて。2017/06/20

tamioar

1
序文で「これは失敗作です」と書くのはやめてください。2016/06/02

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