地球のカタチ
美しいをさがす旅にでよう

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  • サイズ B6判/ページ数 242p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560031971
  • NDC分類 290.9
  • Cコード C0026

内容説明

自然や建造物、芸術作品など、私たちをとりまくこの世界には美しさがあふれている。しかし、時代や文化によってその基準はいろいろ。人はなぜ美しいと感じるのか。自分の境界を飛び越えて、さまざまな「美しい」を楽しもう。

目次

1 風景は発明されたもの
2 美人の条件ってなに?
3 アートと呼びたくないアートの世界
4 科学から美しいを考える

著者等紹介

田中真知[タナカマチ]
1960年、東京生まれ。作家・翻訳家。慶應義塾大学経済学部卒。学生時代にサハラ砂漠を訪れてカルチャーショックを受け、科学雑誌のライターなどのかたわら、アフリカ、中東、アジアを見て歩く。80年代半ば、まだ平和だったスーダン・ダルフールの山中で小屋を借りて暮らす。1990年から8年にわたってエジプトに暮らし、アフリカ・中東を幅広く取材・旅行。コンゴ河を丸木舟で下ったり、エチオピア北部の修道院を訪れたり、モロッコにサン=テグジュペリの足跡をたどったりする。ジャンルを問わず、既成の文化や学問の枠組みからこぼれ落ちているものに惹かれる。1997年、イラク国際写真展にて金賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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夜間飛行

205
竜安寺の石庭が見立ての美だと言われてもピンとこないが、《冬ながら空より花のちりくるは雲のあなたは春にやあるらむ》という歌を並置すると何かが見つかる。文化的に近いものだけでなく、石庭をヴェルサイユ宮殿の庭と並べる。さらにはピクチャレスクな廃墟、テクノスケープといわれる産業景観、アフリカやインドの宗教美術?等を次々と並べる。これは書物の形をした旅なのだ。ベンヤミンがナチを評した《政治の美学化》、つまり比較を許さない単一の美…から遠ざかるにつれて芸術や美の楼閣は消えていく。後には旅人だけに見える透明な道が残る。2022/09/23

Mijas

56
世界の「美しい」を見出すことの大切さ、「美しいという感じ方」が多様にあるということに気付かされる。人は、美意識や価値観の「境界」を作ってしまうが、それを越えることで世界の見方も楽しくなるということ。「美しさ」をさがす旅というのは、自分という境界の外側に出て、人間の本質的なものを見つける旅なのだということ。真知さんは具体的事例を挙げながらそう語る。日本美については、「粋」という概念が美を創造するのだと言う。「冬ながら空より花のちりくるは雲のあなたは春にやあるらむ」美しい和歌が紹介されていたのが印象的。2016/04/15

愛奈 穂佳(あいだ ほのか)

5
【心の琴線に触れた言葉】「見る」とは学習である。文化や環境といった約束事にしたがって、目に入ってくる信号を関連づけ「世界」をつくるのが「見る」ことである。ありのままの世界を、見ることはできないのである。2013/11/20

愛奈 穂佳(あいだ ほのか)

3
数年振りに読んだけれど、まさかの、同じ個所が【ココロの琴線に触れた】といふ現実(^_^;)。相当、気に入ってるフレーズなんだろうなぁ~(^_^;)2015/09/29

dokan

2
美しいとはなにか。この古来からの疑問に、美学的というよりも民族学的なアプローチから語った本。とはいえ、難しい表現はなく、旅を重ねてきた著者のフィールドワーク的視点から語られている内容はとてもわかりやすい。あるものを美しいと感じる感覚は感じる人の文化的背景によって大きく変わる。普遍的と思っている美ですら、実はある文化から見た美を私達が普遍的と思っているにすぎないことを指摘しつつも、それでも人は自分の文化的枠組みを乗り越えて美を共有できる可能性があるという結論こそが美しいと思う。2010/08/22

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