内容説明
喘息、不眠症、消化不良、性的失敗。矢で射抜かれた聖セバスチアン、躍動的なバレエ・リュス…病や性愛、運動の「場」としての「身体」を軸に、二十世紀文学の至宝を鮮やかに読み解く。国際的プルースト研究者の遺稿集。
目次
第1部 プルーストの身体感覚(プルーストと喘息―失われたプネウマを求めて;消化と不消化―失われた消化機能の意味;フィアスコ―性的失敗と小説)
第2部 『失われた時を求めて』における身体表現(祖母の病気と死;断末魔の苦しみの象徴的表現;医術と社交術―医師コタールの肖像;ブーローニュの森のスワン夫人;『聖セバスチアンの殉教』のエロティスム;遺伝と小説―ゾラのシステムと比較して)
第3部 同時代の身体表現とプルースト(ニジンスキーとバレエ・リュス;バクストの色彩とバレエ・リュス;飛行の詩学―コクトーとプルースト)
著者等紹介
吉田城[ヨシダジョウ]
1950~2005年。パリ第4大学博士課程修了(文学博士)。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。元京都大学大学院文学研究科教授。専門はプルーストおよび19~20世紀フランス文学
吉川一義[ヨシカワカズヨシ]
1948年生まれ。パリ第4大学博士課程修了(文学博士)。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。現在、京都大学大学院文学研究科教授。専門は近・現代フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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