内容説明
美味なる食材への情熱と、飽くなき探究心。食道楽とは耽美主義の一形式であり、絶えず集中的に感覚を研くことによって得られる。はたしてフランス人は味覚の達人なのか。本書は、フランスにおける美食(ガストロノミー)の歴史を地理学的な視点から論じる、食通のための、おいしい学術基本図書。
目次
序説 フランス人の美食への情熱
第1章 フランスは美食の楽園、食いしん坊の国?
第2章 フランスでは大食は罪となるか?
第3章 食卓政治。ある様式の誕生
第4章 グルメのためのレストラン、あるいは高級料理の大衆化
エピローグ 魂を持つ食品―フランスの未来地図
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊介
19
1996年刊。翻訳。まず、文章が読みにくかった。自然な日本語に訳すのが難しい原著だったのかなと想像する。内容は、フランスの食の歴史を文化的に辿った本で、興味深い記述はあったものの、総じてフランス人によるフランス料理礼賛本の域を出てないかな、という印象。ただ、そういう本であるにも関わらず、「ヌーベルキュイジーヌ」に対する日本料理の影響に言及してあるのは印象的。「ヌーベル〜」への日本料理の影響はフランスでも通説だということが分かるけど、具体的に何がどう影響したのか、今だによく掴めてないので、今後の研究課題。2022/03/16