出版社内容情報
騎士道、聖者伝説、海底に消えた都、修道院の生活、異端審問、魔法を使う法王の話など、中世史の中から興味深いエピソード、あまり知られていない逸話を取り出し、年代記その他の中世史料に即して語る。中世史の専門家が語る、赤々と燃える暖炉の傍らでの一夜の楽しい語りのごとき中世史譚の数々。
内容説明
騎士道、聖者伝説、海底に消えた都、魔法を使う法王の話など、興味深いエピソード、あまり知られていない逸話を、中世史料とくに年代記に即して語る。赤々と燃える暖炉の傍らでの一夜の楽しい語りのごとき中世史譚の数々。
目次
騎士のおそれ
建国者コナン
海底の都
大帝の墳墓
魔法を使う法王
死者の巻物
騎士気質
絵巻物
僧院
クリュニーの栄光
白い兄弟たち
院長シュジェ
十二世紀の群像
ジェヴォーダンの魔獣
パン屋の一ダース
紋章
暗夜のつどい
蛇体の妃
幽明の境
亡霊
黒い聖母
東方の博士たち
審問の教科書
死の季節
リュブロンの惨劇
話好き
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaze
12
「中世」といえば「暗黒時代」という漠としたイメージしかもっていなかったけれど、これを読んで少し個々の具体的な像が結ばれた気がする。騎士の出現や、教会の支配、迷信や伝承などが物語のように語られるが、これは第一級の資料に基づいた知識人のエッセイである。とても興味深かった。2022/07/28
mob
3
「学生諸君と無駄話をするつもりで」書いた雑誌連載らしいが、異端審問や修道院の呪詛からパンやの1ダースまで幅広く。知っている項目でも視点が面白かったり耳慣れない小ネタが挟まっていたり、楽しく読めた。新書サイズのuブックス。 ・聖ベルナール「彼の言説を聞いては恐怖を覚えずにいられぬ。彼を有罪とするには、この恐怖感のみで十分である」どの異端審問官の言葉より凄みが…。話題が散ってる本書では、キャラ立ち1位。中世なら面白いけど、中世から出てこないでほしい考え方。……ゲンダイニモ、イルケドネ 2021/07/20