文学は別解で行こう

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  • サイズ A5判/ページ数 246,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784560028292
  • NDC分類 950.2
  • Cコード C0022

出版社内容情報

プルーストには髭があるが、コクトーにないのはなぜか? 『八十日間世界一周』は旅行小説ではない! その他、印象派の「必然的貧乏」の解明など、汲めども尽きぬ鹿島ワールド!

内容説明

「プルーストには髭があるが、コクトーにないのはなぜか?」「印象派はなぜ貧乏なのか?」「『八十日間世界一周』は冒険小説ではない!」などなど、意表をつく発見に満ちた著者初の文学評論集。

目次

信用の旅としての『八十日間世界一周』
サン=シモン主義者バルザック―創造神の開発=利用
ワーグナーとパリ万国博覧会
予想屋マルクスによる二月革命リーグ戦展望
ヴィクトル・ユゴー―山頂の懐胎と鳥瞰的視点
未完の愚劣の記念文書
デカダンスの逆説―ユイスマンスの『さかしま』について
リュパンの奇巌城を訪ねる
軽金属の詩人―いま、蘇るジャン・コクトー
ジャン・コクトー、存在の難しさ
二流の人のポジション
少年時代の光―オリヴィエと1930年代のフランス
青春小説「ラ・ボエーム」はこうして生まれた
『天井桟敷の人々』とその時代の巴里
彼らがビンボーだった理由―印象派の“必然的貧乏”を解明する
モード・ジャーナリズムの系譜
フランス近代文学とスポーツ

著者等紹介

鹿島茂[カシマシゲル]
1949年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。共立女子大学文芸学部教授。19世紀仏文学専攻。主要著書に「『レ・ミゼラブル』百六景」。「馬車が買いたい!」。「子供より古書が大事と思いたい」。「愛書狂」。「パリ五段活用」。「バルザックがおもしろい」(共著)。「職業別 パリ風俗」。「セーラー服とエッフェル塔」。主要訳書に画・マルレ、文・ソヴィニー「タブロー・ド・パリ」。バルザック「ジャーナリズム性悪説」。バルザック「役人の生理学」。バルザック「ペール・ゴリオ」。フィエロ「パリ歴史事典」(共訳)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きりぱい

8
一般的に読まれている作品が並ぶのではなく、それでいてワーグナーやマルクス、印象派など文学きりでもなく、気安いエッセイより論考という感じでもあるので、興味の向くところとそうでないところで面白さも分かれる。タイトルの別解で行こうに一番従っている気がする『八十日間世界一周』の信用の話が一番よかった。最初がこれなので、あとはなんとなく自分にとっては刺激も先細り。リュパンの奇巌城の話と、印象派の貧乏を解明する章が割合面白かった。それにしてもまえがきの数学の先生がすごいな。2012/05/13

takao

1
ふむ2024/10/14

いのふみ

1
信用、貨幣、野球などの切り口が、別解なのに本解より面白い。仏文にもっと明るければ楽しめたはず。2020/01/24

Susumu Kobayashi

1
著者の約11年間の文学評論を集めたもの。題名は高校時代の数学の先生に由来するとまえがきに書いてある。ヴェルヌの『八十日間世界一周』におけるフィリアス・フォッグ氏は「信用」の象徴なのだと語る切り口はいつもながら面白く啓発させられる。「リュパンの奇巌城を訪ねる」も、リュパンはほとんど読んでいないが興味を惹かれた。「少年時代の光」を読んでサバティエの『オリヴィエ少年の物語』が読みたくなった。読書をすると、読みたい本がいよいよ増えるのが困った悩みである。最近は置き場所のことも考えなければならないし。2015/05/05

Tetsu

0
正解に囚われない自由な読みを許してくれる合言葉。 読んでも分からないと感じることが多い私にとって救いになる1冊だった。2025/01/20

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