内容説明
本好きの美少女アラスカが、ぼくたちの高校生活を変えてしまった。遠く離れた彼女の姿を追いかけて、僕たちは「苦しみのラビリンス」から抜け出ようと奮闘する…。全米の十代に熱い支持を受けている、涙あふれる「再生」の物語。マイケル・L・プリンツ賞受賞(2006年度)。
著者等紹介
グリーン,ジョン[グリーン,ジョン][Green,John]
ニューヨーク在住の29歳。デビューとなる『アラスカを追いかけて』で、米国図書館協会ヤングアダルト部門が主催するマイケル・L・プリンツ賞を受賞(2006年度)
伊達淳[ダテジュン]
1971年生。関西学院大学商学部卒業。東京外国語大学欧米第一課程卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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飛鳥
21
寄宿学校に転入したパッジが運命的に出会いった本好きで頭の回転が速くてイタズラ好きの美少女アラスカ。彼女の抗いがたい魅力に引き付けられながら、彼女の親友たちとの交流を通しお酒やタバコ、イタズラを覚えていくパッジ。アメリカの青春映画の世界観の瑞々しい文章と出来事の数々。永遠のみんなの憧れのアラスカの自由奔放な青春と彼女の苦悩が瑞々しく、学園で起こす彼女たちのイタズラには驚きながらも楽しかったです。2017/04/12
白玉あずき
9
高校時代+寄宿舎+青春の輝き=好きだ・・・・ 青く純粋だった頃への回顧趣味? 若い頃に誰もがもがく、友情、恋愛と性、死と生といったテーマを、まじめに正面から捉えた作品。「ゴーン・ガール」読後の解毒効果はばっちりでした!主人公が平凡で目立たない少年に設定された所が等身大で良かった。他者の理解不能性を受け入れ、死による喪失を経験して、そして人間は甲羅が厚くなっていくんだよ。人生の苦しさを「ラビリンス」と表現したところ、いいね。でも正面突破は若さの特権だな。2014/12/22
柳瀬敬二
8
原書。全寮制の学校に入学した主人公が出会ったヒロインのアラスカは、ガルシア=マルケスの『迷宮の将軍』を愛読し、酒とタバコが大好きなちょっと変わった性格の美少女。そんな子がいたら主人公もそりゃ惚れるでしょと思うが、残念ながら彼氏持ち。主人公はアラスカや男友達に振り回されながら学生生活を過ごすが、「その日」を境にアラスカがいなくなる。彼女がいなくなった理由を友人達と探し求めていくうちに、少しずつ彼らは大人への道を歩む。そんな青春小説。そして、間違いなく読後に彼女を追いかけて『迷宮の将軍』を読みたくなる。2015/07/11
ぱせり
8
滅茶苦茶で、とてもそんなふうに見えないんだけど、若者たちの誠実さ、まじめさがいい。教師の彼らへの信頼もいい。苦しみもがく若者たちの中に透明感を感じ、それを追いかけるように読みました。そして、「偉大なるもしかして」を探してラビリンスにふみこんでいく主人公の最後の言葉が清清しいのです。2009/10/30
遠い日
7
まさに青春の日々だ。痛みと焦慮と正義と・・・・・・。 悩みもがきながら、必死にさぐる行くべき道。プライドとコンプレックスと。胸が痛くて、ときどき目を背けたくなった。 アラスカの魅力が存分に描かれ、彼女の謎が存分にしかけられて、ぐいぐい読まされる。 スピード感にあふれた、力強い青春小説。 2012/05/20