内容説明
テロワール、ヴィンテージ、栽培、醸造、熟成に至る全プロセスがジャイエ自身の言葉によって説き明かされる。伝説の醸造家が明かす偉大なるブルゴーニュワインの神髄。
目次
第1章 友と分かちあってこそ、ワインは美味しい
第2章 ブドウ畑とワイン―伝統に培われた長い歴史
第3章 テロワールは語る
第4章 ヴォーヌ=ロマネ―丘の宝石
第5章 ヴィンテージの重要性
第6章 すべてはブドウ畑から始まる
第7章 醸造―ワインの創造プロセス
第8章 オーク樽での熟成
第9章 樽からボトルへ
第10章 プロのテイスティングと快楽主義的なテイスティング
終章 食欲増進のための結論―時宜に適した、あるいは時宜に適せぬ談話
著者等紹介
立花洋太[タチバナヨウタ]
東京大学経済学部卒業。東京大学教養学部フランス科卒業。フリーランスのフランス語通訳・翻訳者として活動中
立花峰夫[タチバナミネオ]
京都大学経済学部卒業。アカデミー・デュ・ヴァン大阪校事務局長・講師を経て、リッジ・ヴィンヤーズなど、国内外のワイナリーで栽培・醸造作業を経験。フリーランスのワインライター/翻訳者として活動中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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マル
3
2006年に亡くなったブルゴーニュの伝説の醸造家のインタビュー本。今では一本800万円!で取引されるものもあるらしい。信じられない世界だけど。 ご本人が売るときには数百ユーロとかだったという話だけど。ブルゴーニュの地質や気候、歴史、さまざまな醸造、栽培の方法なと、ワイン造りのさまざまな面について詳しく語られており、ご本人の熱意や研究熱心さ、また話の上手さやカリスマ的な人柄が感じられる本。ブルゴーニュワインに熱狂する人達の気持ちが多少理解できるような気にはなったかな。2024/12/10
あいちょ。
2
ワイン造りの奥深さかひしひしと伝わる一冊。 愛だね。2016/09/30
メガネ
1
ブルゴーニュの神と呼ばれたアンリ・ジャイエ氏のワイン造りについて著された一冊です。残念ながら彼は2006年に亡くなってしまったのですが、その存在感はとても濃かったと思われます。彼がワイン造りにおいて重要だと考えていたものは3つあります。ひとつはテロワール。次にヴィンテージ。そして最後に造り手。最近増えてきている品種優先のテクノロジーワインは大嫌いだったようですね。内容はブルゴーニュ、ピノ・ノワール一色です。ブルゴーニュファンは読む価値があると思いますよ。2014/03/10
あか
0
「ブルゴーニュの神様」とまで謳われたワイン生産者アンリ・ジャイエ氏のインタビューを基にまとめられた、彼のワイン作りの哲学に迫る著書。低収量、低温マセラシオン、意欲的な新樽の仕様に特徴付けられるアンリ・ジャイエのワイン作りの思想を本人の言葉を中心にまとめている。これを読むと、現在のブルゴーニュにおけるビオディナミのブームは彼を克服するための過激なアプローチとしての側面があるように思える。いずれにせよ、ワインの神格化、芸術としてのアプローチへの違和感はこれを読んでも解消することはなかった。2017/06/23