内容説明
ほとんど口をきいたこともないクラスメイトの少女が事故で死んだ。彼女が残した日記の1ページが、わたしの心を強くゆさぶった…。多感な少女のひと夏の体験を描いて心にしみるニューベリー賞オナー受賞作。
著者等紹介
ヘンクス,ケヴィン[ヘンクス,ケヴィン][Henkes,Kevin]
ウィスコンシン州マディソン在住。著書に『バースデー・ルーム』『太陽とスプーン』『石のことば』など。『オリーブの海』は2003年度ニューベリー賞オナー賞に輝く
代田亜香子[ダイタアカコ]
立教大学英米文学科卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mntmt
21
12歳の夏。自分のことがだんだんわかって来る時期なんだろうな。悩み多き年頃だけど、大人から見ると、みずみずしい。2017/08/29
caramel
15
12歳の思春期のキラキラした気持ちや鬱屈した感じ、いっぱい詰まっていて懐かしい気持ちで読みました。凄く甘酸っぱくて、海の爽やかさに包まれるような雰囲気があって素敵でした。おばあちゃんのキャラクターが良かった。2021/07/23
つき
7
仲よしという訳ではなかった、クラスメイトのオリーブ・バーストウが事故で亡くなったあと、マーサの元にオリーブの母から、日記の切れ端が届けられた。なぜ? という疑問を持ったまま、オリーブは祖母の家に家族旅行へ出かけるのだった。夏の終わりとともに、12歳のマーサはどう変化していくのか。 この時期特有のイライラや葛藤、親との距離感がやけにリアルに伝わってきた。2018/08/25
ぱせり
6
決して、きらきらと明るいばかりの夏ではなかったはずなのに、清々しい、と言ってもいいくらいの透明さを感じるのは、そこが夏の海だからだ、と思う。海の色に、少し切ないような気持ちになるのは、これが、子どもの時代がほぼ終わっていく名残りの色だと思うからだ。2022/01/27
shippo
5
自分が12歳だった時を思い出させてくれた本。 世界は漠然としていて、でも凝縮していて、驚く事がいっぱいあったなぁ…。 死んだ同級生のオリーブ。オリーブが行きたかった海。 オリーブのお母さんに、海の水をボトルに入れて持って行くなんて繊細な心は、やっぱりおばあちゃん子だから。このおばあちゃんがまたいいんだなぁ。 子供達のきらきらした生命力に溢れた一夏の生活の中にも確実に死は漂っている。その雰囲気さえ好ましい。2012/06/22