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内容説明
「到来者」と出会うために…。「切迫」と「遅延」の間でおののく思想家の相貌。始まりも終わりもない出来事の思考「歴史と歴史性の差異」の問題へと切り込む、入魂の一冊。
目次
『グラマトロジーについて』
「コギトと狂気の歴史」(『エクリチュールと差異』所収)
『散腫』
『絵画における真理』
デリダの時代
「予断=あらかじめ裁かれていること」
『歓待について』
『死を与える』
『コーラ』
著者等紹介
廣瀬浩司[ヒロセコウジ]
1963年東京生まれ。東京大学教養学部卒業後、同大学大学院総合文化研究科博士課程中退退学、パリ第一大学でメルロ=ポンティ論により博士号(哲学)取得、現在、筑波大学人文社会科学研究科助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
antoinette
2
デリダ初心者としては意味不明でつらかった。構造主義とかポストモダンとかのことがちゃんと頭に入っていればたぶんわかる。「痕跡」「パレルゴン」といったものがなんとなくわかる気になり始めたところでカフカ論が出てきてさらに意味不明(カフカ知らない・興味ない)。それからやっと自分にもわかるキルケゴールやプラトンの話がでてきてぐっと気持ちよくなったのだが、最後「コーラ」の話が出たところでフッと終わっちゃった。苦労したわりに、読みきってみると著者自身があとがきで言っている「無難な紹介」というのが正直な感想。2014/03/13
山本知慧
1
本書は「脱構築」をほとんど使わず、「到来者(arrivant)」をキーワードにデリダを紹介している。デリダは出来事なき出来事、不-可能な出来事の可能性を模索する。この「不-可能」は単なる否定(不可能)ではなく、出来事に孕むそれ自体の<ずれ>を示す。出来事なき出来事も我々の前に、出来事として現れるのだ。そうして本書は、否定神学的だとか、相対主義を邁進させるだけだというデリダ批判を退ける。デリダの芸術論、カフカ論が紹介されているのもおもしろい。2012/01/01
歩き
0
既存の入門書があつかっていないラインを攻めているので有用な気もするが説明はそこまで親切ではないし、ところどころ著者のメルロ=ポンティ研究者っぽいところが垣間見えるし、体系化し難いとか説明してしまうのはどうかみたいな回りくどい書き口は無視した方がいい。とはいえグラマトロジーの概略をつかんだりできるので目次で関心をもつ署名があればよさげ。2018/08/29