出版社内容情報
憂愁と罪の意識から婚約を破棄した若き誘惑者キルケゴールが、冷徹な認識と抒情性を武器に生の実相に迫った永遠の青春文学。
内容説明
憂愁と罪の意識から婚約を破棄した若き誘惑者キルケゴールが、冷徹な認識と抒情性を武器に生の実相に迫った永遠の青春文学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
有沢翔治@文芸同人誌配布中
4
この『誘惑者の日記』をキルケゴールの意図したように、すなわち文学作品としてではなく読むのは僕には難しいです。 キルケゴールは「フィクション」として、つまり絵空事として処理されるのを拒んだんのでしょう。しかしキルケゴールはこれを匿名で出版しているんです。これは署名そのものがフィクションだということになりませんか? https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51418844.html2014/02/05
amanon
3
日記と言うより、やや長めのアフォリズム集といった方がいいくらいに、今一つ一貫した流れに欠ける。何より恋人コーデリアとの関わりについての言及が意外な程少なく、語り手の「ああでもない、こうでもない」というモノローグが延々と続くという感じで、入り込めないことこの上ない…でも、なぜか妙に惹き付けられる物を感じて、訳が分からないながらも、結局最後まで読み進めることに。巻末の解説でも示唆されているとおり、本書はかなり読者を選ぶ類の書物なのだろう。個人的には訳文が固く、注釈が不親切な気がした。いずれ他の訳で読みたい。2014/08/20
蝉海
0
http://www.geocities.jp/trushbasket/data/my/dame01.html→ここのコラムを読んで、本書を手に取った。が、読んでいてかなりだれた。一人の女性に対する妄想が、分かり難い比喩や冗長で読み難い文章を以って延々と綴られていくだけという内容なので、私のように野次馬的興味を持って紐解いた人や、哲学者特有の明察な美学的見識を期待して読むと、相当にキツいと思う。ちなみに、有名なメイド萌えの熱論は189ページから。2014/05/06