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出版社内容情報
科学史・科学論から演繹された知の批判。科学的認識が創造的であるためには、実験=経験を通してさまざまな事物のうちに分散するとともに、在来の認識論の固定した枠組をうち破り、それを超えていかなければならないと説く。フランス現代思想の母胎となった科学認識論(エピステモロジー)の先駆的名著。
目次
はじめに 哲学的思考と科学精神
第1章 一科学的概念のさまざまな形而上学的説明
第2章 認識論的断面図の観念
第3章 非実体論―非ラヴォアジエ的化学の序説
第4章 基本的な空間的連結―非解析性
第5章 非アリストテレス的論理学
第6章 『否定の哲学』の綜合的価値
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
数学では否定は差異化だが、差異化されたものが観念または実在化する場合2項の区別となり、そこに第3項が生じる場合価値と権力が関わる排除へと変わる。科学史の問題を検討する著者は、実在をその探究の究極に位置付け、自らを科学的/非科学的カテゴリーとして区別する演繹に依拠する科学が、認識論的に見ればその振る舞いは現象と精神の複雑さの只中にあって、その選り分けの諸段階を経て成り立つと捉えた。科学を技術装置の進化と科学者集団の実験と経験の試行錯誤で構成される領域と見なす著者は、本書で科学的認識を「開かれた哲学」と呼ぶ。2024/11/01