感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
13
オルテガの哲学は「批評としての哲学」であるという解説の言葉に深く頷いた。つまり、彼の方法は何らかの先立つ対象を観察・解体して、進むべき方向性を示すもの。内部の探索者というより外部を眺める傍観者なのだ。ただ、その批評は常に人間的生の根本とつながっていたが故に、同時に哲学でもあったのだと思う。『危機の本質』『体系としての歴史』の二作を収録した本著では歴史を見渡し、二つの危機の時代の様相を現代に重ねる。世代論、宗教論もからめて不安定な人間の生を描写する言葉は、1936年の時勢の中で高い熱を帯びている。2017/02/10
-
- 和書
- サティヤサイストーリー
-
- 電子書籍
- オルフェウスの窓 1巻