出版社内容情報
ヒポクラテスの先祖にしてその崇拝対象でもあったアスクレピオスは、神にして同時に人でもあった。医術とは自分の傷に苦しむことで得た治療知識に他ならず、最良の医師とは死すべき人間と苦を共にする存在であることを明らかにする本書は、現代の医の在り方にも一石を投じよう。貴重図版57枚掲載。
内容説明
アスクレピオスは、ヒポクラテスの名で有名な医師一族の間で始祖として崇拝された神。父はアポロン、母はコロニスとされ、誕生後まもなく山中に捨てられ、ケンタウロス族のキロンに育てられたとされる。著者はこの医神の聖地を、時代を遡行するように案内してゆく。のどかに思えた「神話の旅」も、経めぐるにしたがって、不気味に錯綜した迷宮に迷いこむような観を強めていく…神話学ファンのみならず、現代の「医」の在り方に関心を寄せる人にとっても大きな示唆を与えよう。図版多数掲載。
目次
1 ローマのアスクレピオス
2 エピダウロスの治療
3 コス島におけるアスクレピオスの息子たち
3 ホメロスに描かれた医師の神人たちと神々の医師
5 テッサリア地方の起源
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あや
1
Fateから。タイトルだけで予約したが、訳書であり専門性も高いのでかなり難解で、途中で基礎本を挟んでなお雰囲気とところどころの要点しか掴めなかった。もっとギリシア各方面に精通してから読み直したらより理解できるようになるのだろうか。写真が多いのはありがたく、船の形の島はとても綺麗だった。この本はあくまで神話の中やその当時の医療の神という概念についてだったので、より現実的な医療史の話題も気になる2019/07/21
更新停止中
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ケレーニイはかたっぱしから読んでみるかな、と思ったけどあまり興味のない話だと今ひとつ入り込めず。さらっと流されちゃったけど「犬と蛇」が同じ属性というのが非常に気になったんだけどどういう事だろう、これ。2012/09/13