出版社内容情報
【全巻内容】1 悲劇の誕生/遺された著作〈1870年~1872年〉5篇2 反時代的考察第1・2・3篇/遺された著作〈1872年~1873年〉5篇3 遺された断想〈1869年秋~1872年秋〉4 遺された断想〈1872年夏~1874年末〉5 反時代的考察第4篇/遺された断想(1875年初頭~1876年春〉6 人間的な、あまりに人間的な・上7 人間的な、あまりに人間的な・下8 遺された断想〈1876年~1879年末〉9 曙光10 華やぐ知慧/メッシーナ牧歌11 遺された断想〈1880年初頭~1881年春〉12 遺された断想〈1881年春~1882年夏〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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コロナ禍のなかで資本主義の組成が変わりつつありわれわれはかつてないほど〈道徳的であること〉を強いられている。つまりイデオロギー的同一化であり、強いられたことをあたかもみずからの自発性であるかのように受けとり直すことである。マスクをすることを拒絶する身振りもマスクをしていないひとを拒絶する身振りもなんと道徳的であることか。こうした閉塞感のなかでニーチェほど再読するにふさわしい作家は一人もいない。彼の書いた本でもっとも快活な著作はたぶん『ツァラトゥストラ』ではなく『華やぐ知慧』である。2021/12/31