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出版社内容情報
それぞれの分野の名人達者二人の合作で生れた東海道五十三次。広重描く風景に、役者絵で人気の三代豊国が人物を配す。土地の風俗や伝説にちなんで描かれた人物を読み解く中で、当時の世相風俗を明らかにし鑑賞の楽しみを増す。
【著者紹介】
世界でも数少ない版画を中心とする美術館。1987年の開館以来、国内外のすぐれた版画作品や資料を収集・保存し、二万点を超える収蔵品を有する。
内容説明
役者絵の豊国×風景画の広重。当代随一の人気絵師が互いの得意分野で腕を揮う異色の合作版五十三次。
目次
日本橋―なぜ子供の手に槍持の人形が?/東海道の起点・日本橋
品川―女性たちが身支度する場所は?/東海道最初の宿・品川宿
川崎―女性が作っている小箱は何?/川崎宿と六郷の渡し
神奈川(加奈川)―なぜ男は女装しているのか?/神奈川宿から三浦半島を望む
程ヶ谷(程かや)―手に持つ柄杓は何のため?/程ヶ谷宿と金沢街道
戸塚―くつろぐ男は亭主か客か?/一日目の宿泊地・戸塚宿
藤沢―綱の先にあるものは?/藤沢と遊行寺
平塚―旅先での旅人の楽しみとは?/馬入川の船渡しと平塚宿
大磯―女が手に持つものは何?/西行法師も訪れた大磯
小田原―少女のお薦めのおみやげは?/酒匂川と小田原宿〔ほか〕
著者等紹介
渡邉晃[ワタナベアキラ]
太田記念美術館主任学芸員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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役者絵の豊国×風景画の広重。当代随一の人気絵師が互いの得意分野で腕を揮う異色の合作版五十三次 ---東海道の各宿場と、旅人・戯曲・故事などにちなんだ人物とが絶妙に溶け込み、その土地の風情や当時の世相風俗を奥行きを持って伝えてくれている。『東海道五拾三次』と同じ宿場風景を描きながら、広重があくまでも人物が主役となるよう構図や細部に工夫している点、人々の装いの造型・色彩美、人物が当時の歌舞伎役者の似顔絵風に描かれている点が興味深い。55作品を解説付きで堪能できる一冊。彫り・摺りで魅せる、すごいぞ浮世絵!2014/03/02
果てなき冒険たまこ
1
三代豊国(国貞)と初代広重が合筆して作成した双筆五十三次。人物を豊国、風景を広重という分担で描かれた浮世絵を1つずつ丁寧に解説していく。作品はもとより美しいけれど、歌舞伎や約束事、和歌を含む古典にもある程度精通していないと解読できない浮世絵を鑑賞するのにこの解説はほんと助かる。この手の解説本がもっともっと出版されてほしいよね。しかも見開きで1作品を1解説だからとてもわかり易いしじっくり鑑賞できる。図書館から借りてきたけどこれは手元に置きたくなった、探してみよう。2022/04/23