出版社内容情報
太古より生命の根源に基づく“神秘”。一九五七年から六三年、東北のなまはげ、沖縄の御獄など、岡本太郎が全国で撮影した数万点のネガの中から、写真家・内藤正敏が自らのイメージで自由にリプリント。各写真と深く響き合う太郎の言葉を配して再構成した写真集。
著者等紹介
岡本敏子[オカモトトシコ]
1926年、千葉県生まれ。岡本太郎記念現代芸術振興財団理事長。岡本太郎記念館館長。東京女子大学卒業の翌1948年、岡本太郎の秘書となり、以後その死去まで約50年間あらゆる制作活動に立ち会い、取材に同行、口述をメモし、執筆をたすける。後に岡本太郎の養女となる
内藤正敏[ナイトウマサトシ]
1938年、東京生まれ。1961年、早稲田大学理工学部卒業。写真家。東北芸術工科大学東北文化研究センター教授。土門拳賞、日本写真協会年度賞などを受賞。民俗学的視点から日本の深層を捉えた特異な写真で知られる。民俗学研究の論文も多数発表
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感想・レビュー
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blue_elephant
4
暴力的なシーンもグロいところもエロい箇所なんて一切無いが、先に読んだ中原昌也氏の作品よりも、狂気に縁取られているような、そのずっと先、神々しいまでの圧倒的な力を持った写真と文章。「あらゆる場所に花束が…」が、この本を前にして平伏し、霞となり無残にも消えてなくなる。なによりも気高く、生々しくもあり、岡本太郎氏の力強さも痛いほどに感じる。岡本太郎氏が見続けた日本のフォークロア。写真家で民俗学者でもある内藤正敏氏がプリントをされた2人のコラボ本でもある。一家に一冊。一生に一冊。2019/04/11
Jas
3
なんだろう。この作品のせいかはわからないけど、すごく疲れた。私には、刺激が強すぎるようだ。なんだか、とても激しい。疲れた。やはり私は、穏やかな世界に身を置いていなければ、エネルギーを吸い取られてしまう。岡本太郎はきっと、ものすごいエネルギーに溢れた人だったのだろう。本当に疲れた。圧倒された。P.13「つまり人間が人間になることだが、そのとき意志と感情の爆発に耐えなければならない。」2019/10/27
ミョウガ
1
内藤正敏という民俗学者であり修験道の研究者でもある写真家が、岡本太郎が残したネガから焼いた写真。只ならぬ凄みがある。ネガの再現ではない、写真家の異界によって秘められていたものが引き出されプリントされた岡本太郎の見ていた世界に、言い表せない程圧倒された。時間、空間、生命の根源的力、神秘のなまなましさにぞくりとし震えがくるようだった。『美の呪力』そのものだと思った。シャーマンともいうべき二人の芸術家の強烈なエネルギーを感じる写真に、プリミティブな何かと通じ合う怖さを覚えつつも魅入られ幾度も本を開いてしまった。2023/02/25
鈴木
1
岡本太郎の写真には力がある。内藤正敏のセレクトで、太郎の言葉が添えられてはいたけれど、写真だけでも力がある。そして、言葉は言葉でまた力がある。強いエネルギーやはっきりとした思想が伝わる。僕は民俗学の知識はないが、日本人の暮らしぶりや伝統的な祭、習慣に対する目線はとても興味深い。この書籍に関しては、写真家である内藤正敏がプリントを手がけているから、といこともあるけれど、どんな写真家の作品よりも、太郎写す実像が1番心が惹かれる。2011/11/27
ユ-スケ
0
おどろおどろしいモノクロ写真がとてもいい 絵だけじゃないのだなあ さすが岡本太郎!2014/03/26
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