Art & words
ゴヤ ロス・カプリチョス―寓意に満ちた幻想版画の世界 国立西洋美術館所蔵

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B5判/ページ数 182p/高さ 24cm
  • 商品コード 9784544020793
  • NDC分類 735
  • Cコード C0371

出版社内容情報

ゴヤの鋭い批判精神が横溢する版画集「ロス・カプリチョス」全80点を、精緻なダブル・トーン印刷で原寸収録。見開きに作品1点を掲載し、対向頁にゴヤが書き添えたとも言うプラド註釈書を付す。

内容説明

現代のコミックも吹き飛ぶ自由で大胆な魂が生む、美しくも怪異なキャラクターたち。エロスとユーモアに満ち溢れたその諷刺画の裡にこめられた、鋭い近代的批評精神。18世紀末スペインに出現した銅版画の小宇宙に、こんなにも鮮やかな「今」があったとは!復活!驚きの名版画集。

著者等紹介

雪山行二[ユキヤマコウジ]
1947年、富山市に生まれる。1976年、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。国立西洋美術館学芸課長を経て、現在、愛知県美術館副館長。専攻はスペイン美術史、特にゴヤ。企画・担当した展覧会には、「エル・グレコ展」(1986-87年)、「スペイン・リアリズムの美―静物画の世界」(1992年)、「ゴヤ、版画にみる時代と独創」(1999年)などがある。著書に、『ベラスケス』(朝日新聞社、1991年)、共編著に『プラド美術館』(全5巻、日本放送出版協会、1992年)など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

289
ゴヤの『カプリチョス』が刊行されたのは1799年。ゴヤ52歳の時であった。本書は国立西洋美術館版の80葉を収録する。ゴヤ晩年の『黒い絵』ほどではないが、それでも全作品ともに悪意やシニシズムに溢れた寓意に満ちた版画集(エッチング)である。巻頭はゴヤの自画像が掲げられる。これ自体が裏側から世界を見る視線とゴヤの矜持とを描き出し、また名高い「理性の眠りは怪物を産む」(43番)では黒い幻想に付き纏われるゴヤを表出する。どの絵も、もはや我々には「救いの道はない」(24番)かのごとき表象で満ちている。2023/12/09

allite510@Lamb & Wool

12
ゴヤへの関心は、ほとんど「我が子を食らうサトゥルヌス」を含む連作「黒い絵」に集中しているのだが、彼の私的な作品でもあって謎も多い。タイトルすら後世の後付けである。堀田善衛を読むべきなのかもしれない。が、ここは絵を理解するには絵を見ることから、ということで本書はゴヤが聴覚を失った後に出版された風刺版画連作の代表作。当時としては権力者や宗教家などへの批判が強烈だったためか、ほんの数日で販売が中止されたという。とはいえこれらの版画にはまだ諧謔的なある種の明るさも感じられる。→2019/10/14

ラウリスタ~

8
これは非常に役に立つ。左ページにデータとゴヤ自身による注釈&役に立つ編注。右ページに絵。絵を見ただけではなにが描かれているのか分からない絵がほとんどだから、ゴヤ自身によって主張された(撹乱用含む)注釈と、現代の解釈とのギャップも面白い。いずれにせよ、確固として解釈を定めにくい作品が多いんだな。2014/09/28

Hajime Yoneya

4
ロスカプリチョスの版画の素描には鼻の長い僧侶が鼻に支えをつけて食事しているものがあって、芥川龍之介の「鼻」と似通ったところがあると思っていたのだが、今回読書メーターでカプリチョスを検索すると芥川龍之介の同名タイトルが見つかった。文中には魔女なども登場し、ゴヤの本版画集を彷彿とさせる。芥川龍之介もこの版画集を読む機会があったのだろう。

P-man

2
国立西洋美術館所蔵のロス・カプリチョスの画文集。ゴヤに関する本では版画は小さく載っていることが多かったので、こうして大きなサイズで見ることができるだけでもかなりありがたい。しかしゴヤは本当に当時の聖職者嫌いなんだな・・・w 詞書も見事で、ある軍人を批判している『閣下はおいでか・・・では俺の言うとおりに・・・おい、気をつけろ、さもないと・・・』という作品などはもう解説すら蛇足だ。一番好きなのは有名な『祖父の代まで』2015/11/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/208763
  • ご注意事項

最近チェックした商品