内容説明
「買い物弱者600万人」は一側面。フードデザート問題、その本質は弱者の排除(社会的排除問題)。東京23区ほか主要都市のフードデザートマップを掲載。
目次
第1章 フードデザート問題とは
第2章 高齢者を取り巻く生活環境の変化
第3章 フードデザートマップ作成の試み
第4章 事例研究1(地方都市の場合)
第5章 事例研究2(農山村地域の場合)
第6章 事例研究3(大都市圏のベッドタウンの場合)
第7章 全国で始まったフードデザート対策
終章 フードデザート問題への提言
著者等紹介
岩間信之[イワマノブユキ]
茨城キリスト教大学文学部准教授。1973年茨城県ひたちなか市生まれ。2002年筑波大学大学院地球科学研究科博士課程修了。2003年イギリスサザンプトン大学客員研究員。2005年筑波大学第二学群比較文化学類技術補佐員。2007年茨城キリスト教大学講師。2010年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
2
食の砂漠(FDs)。食後のデザートではない。日本は飽食で食べ物をとても粗末にしてきた。CVSやスーパーでも廃棄されていく食料。FDsは社会問題との認識に共感。一方で高齢者は栄養不足状態(5ページ)が同時に進行している。買い物難民問題も無縁社会の代名詞化してきつつある。GISの技術を活用して地図の色分けされたFDs値(需給バランス値)が提示されている(第Ⅲ章第3節)。限界集落への宅配や、お出かけのデマンドタクシーが肝要(95ページなど)。撤退する人もいれば、残る人もいていい。社協、NPO、企業の連携不可欠。2012/11/25
ひとまろ
0
フードデザートとは「食の砂漠」という意味。高齢者が買い物弱者となったり街が過疎化してスーパーが廃業したりで食料品の調達が困難な状態がもうそこまで来ている。いや既に直面しているようだ。これから自分が高齢者になった場合、少ない老後資金、都市部での住居スペースの確保、買い物へ行く交通手段の確保等々問題は出てくるはず。おひとりさまが増えていく時代を迎えどう生きていくか、またどういう社会を形成していくかが最も重要な要素となるだろう。綿密な調査とデータに基づく論文形式の本書は未来へ向けて警鐘を鳴らす1冊といえよう。2013/01/27
kozawa
0
乱暴に言えば、調査としての深さはさほどでもないが、「都市圏でも生鮮食料品店から遠い地域の人口は案外多い都市がある」「地方についても問題地点があるということは明か」とかまぁ。2011/08/13