出版社内容情報
「自然と人間の調和」を根底に独自の思想体系を構築した安藤昌益。その思想的後継者としての田中正造。さらに昭和初期の農本主義と農民自治主義へと連なる日本的エコロジズムの展開をたどる異色の日本近代思想史研究。
目次
第1章 安藤昌益の生涯と思想―日本エコロジズムの源流
(安藤昌益の再発見;安藤昌益の生涯;安藤昌益の思想)
第2章 日本の近代化と自然の思想―天皇制国家原理の矛盾(天皇制国家の形成と農本思想;足尾鉱毒事件と田中正造;農本思想の類型と軌跡)
第3章 昭和の農本主義とその行動―国家独占資本主義とエコロジズム(農業官僚の農本主義;農村恐慌と農本主義;自力更生運動と農本主義;軍部の路線と二.二六事件)
第4章 昭和の農民自治主義とその軌跡―人間の自立と国際連帯を希うエコロジズム(大正新教育運動とその旗手;農民自治会の農民運動;昌益の思想の再生と受容)
第5章 農村教師たちの模索と実践―その歴史的経験から何を学ぶべきか
(大西伍一氏へのインタヴュー;村山ひでさんからの手紙)
補論(日本の地域社会の歴史と現状―沖縄についてのケース・スタディ;「経済大国日本」の生態と問題―日本の教育と教育研究の荒廃)