出版社内容情報
高度経済成長以前の山村の家族のありようを、幼い者の眼を通して描く。病弱な父、父親がわりに働く母、母親がわりに家事をつとめる姉、遊び仲間の兄と弟妹。その情愛の中、幼い魂は貧しさゆえの事件を乗り越えて行く。
内容説明
はるかな四万十川、遠い山の家。豊饒な自然と人々の真直ぐな情愛につつまれ、貧しくもかがやいていた、『あつよしの夏』(文芸賞・坪田譲治文学賞)以前の幼い日々。
目次
雨もり
きんま橋
梶の木刀
イタンポ(イタドリ)
朝靄
アカイコ(沢蟹)
豆入りの飴玉
野イチゴ
イモリ
ミミズ掘り
オート三輪車
虹色の魚
川向こう
グミとシャシャブ
カワニナ
赤いねまき
滑車
ぶちめし
コガネグモ
ちちこ(水切り)
メダカ
トンボ釣り
セミ
カブトムシ
砂山くずし
ホイトの子
はっちゃん
とりもち
じいちゃんの家
月夜
草笛
日なたぼっこ
びっちょごま
いろりばた
くすりやさん
つき鉄砲
春さがし
雨
父ちゃんが戻った
空も山も川も