出版社内容情報
明治神宮の参拝客数は全国一。しかし人々は、頭上のうっそうとした森が、天然林を目指す人間の手によって造りあげられた、人工の森であることを知らない。この森の存在は、都市林の明日を考えるうえで貴重である。
内容説明
大都会東京にある明治神宮の森。うっそうとした深山を思わせるこの森は、人間の手によって造り上げられた。ほとんど樹木が生えていなかった地に百年後の森の姿を予測する壮大な計画が立てられ、成功した唯一の森だ。明治神宮の森は、人間と森林の未来を示唆してくれる。
目次
序章 明治神宮の森を訪れて
第1章 森はこうして造られた―造営の計画と経緯(神宮の土地はどのように決定されたのか;明治神宮の森の昔の姿と歴史;永遠の杜を造る―森造りの計画と実行までの推移;全国から寄せられた献木;人が森を造る―植栽工事始まる;森の変遷)
第2章 植物学的にみた明治神宮の森(明治神宮の森の植生―日本風土と明治神宮の森の植生;林苑内各所の植生の特徴;林苑内でのツリー・ウォッチング―樹木観察の楽しみ方;樹木社会の観察;明治神宮の森のこれから)
第3章 永遠に森を守り育てていくために―林苑内の維持管理(自然林を保つための維持管理;維持管理の仕事;生物相の豊かな森;神宮の森の1年;人々の憩いの森;森を永遠に守っていくために―維持管理上での今後の課題)
第4章 現代社会における明治神宮の森の存在意義(世界の都市林と比較して;森林と人間とのかかわりあい;神社林とはどういうものであったか;永遠にこの森を守り育てていこう)
明治神宮関連年表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Megumi Odajima
1
義弟の結婚式で初めて明治神宮に行ったのがきっかけで。宿泊したサンシャインホテルからも、こんもりとした森があちこちに見られる東京。昔の森をkeepしてるんだ、神社って(神宮だけど)すごい!と思っていたら、かつて武蔵野は野っぱらで、こんもりは人造の森だった!すべて明治天皇のためにと全国から寄贈された木で、自然に老若が入れ替わるよう設計された森。現在は第三段階とまだ途上にあるとのこと。スケールの大きいシゴトですわ。伊勢神宮など主流はスギ、明治神宮は異例にも常緑樹であるヒミツとは。職人たちによる百年の計、しびれる2013/08/06