出版社内容情報
自然農法や焼畑の原理に学び、田畑の生物群集の構造と変化のしくみから近代農法での反復防除の不可避性、農薬が害虫をふやすリサージェンスの必然性を洗いだし、害虫や天敵でもない「ただの虫」に着目し無農薬への道。
目次
序章 害虫観・生物観の貧困(米の収量上昇の中の不安;生物群集構造という視点の欠如;教科書にみる害虫観の一面性)
第1章 “殺す防除”の限界(根強い殺す防除の思想;殺虫剤を大量使用しても害虫は撲滅できない;天敵不在で害虫はどうなるか;天敵を殺さない防除法ならよいか)
第2章 そもそも害虫とは何か(害虫の経済的被害水準;生物学的、生態学的な被害許容水準;昆虫と天敵の共進化;昆虫が害虫になるとき)
第3章 調和的防除の可能性(害虫の密度変動のパターン;害虫密度の変動と調節のしくみ;なぜ反復防除が必要になるか;害虫―天敵関係の時空間的構造;カギをにぎる“ただの虫”)
第4章 調和的農業の創造にむけて(農業と生態系;近代農業技術がまねく砂漠化;発想の拠点としての自然農法、焼畑;自然界の摂理に従う農業とは?)