出版社内容情報
豊穣な江戸前の海と近郊農業に支えられた江戸・東京の食事形成史。すし、てんぷら、佃煮などに代表される江戸の味覚が東京の自然と調理術の向上によって一大食文化をつくった。
内容説明
江戸から東京にかけての食の歴史をたどってみると、三つの大きな画期が浮かびあがってくる。第一はすし、てんぷら、蒲焼、佃煮をはじめとする江戸前の料理がいっせいに出揃った幕末期、第二は文明開化にはじまる西洋料理の受容期、第三はそれらが日本的洋食として広く一般家庭に普及した大正末、とくに関東大震災後である。本書は、このような江戸から東京にかけての食の形成史である。料理だけでなく、その素材の生産や流通まで含めて書いてみた。
目次
1 歴史と風土
2 江戸食文化の形成
3 江戸市民の食生活
4 外食文化の発展
5 和食の完成
6 洋食の時代
7 普及と伝播
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天婦羅★三杯酢
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江戸時代から明治大正にかけて、我々はどんな食生活を送って 来たのであろうか。 主に江戸・東京での食生活を、江戸時代初頭から昭和の初めまで、 いろいろな階層のものを集めている。 資料的には様々なものを一覧に供しているため、 目を通せば一通りの知識を得られる。 馬琴の日記から、江戸時代中頃のやや裕福な町人が、 結構いろんな食材や料理を食べていたことがわかるとともに、 親族同士はもとより、借地している地主や同業者、出入りの職人 などに対しても相互に様々な食料や料理を贈答の形で やりとり2011/07/26