出版社内容情報
幻の穀物となった麦も、昔はどこでもつくっていた。夜中まで働いた田打ちや、うんこの肥し、麦ふみ、暑い時期の麦刈りなどの話を通じて、昔の農作業の厳しさ、先人の知恵に学び、ふるさとの伝統と農業の尊さを見直す。
内容説明
この絵本は、農協の第三次中期計画の基本方針の「ふるさとと農業を見直す」事業の中の教育広報の一環として発刊しました。幻の穀物となった麦作りの話しを通じて、昔の農作業の智恵、きびしさ、先人の労苦に学び、敬意を表したい。この中からふるさとの伝統と農業の尊さを見つめたいと思います。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ochatomo
15
『麦をまく頃は、日が短いし、夜なかまでたんと しごとをしたんだよ』 『たいまつをつけたり、お月様のあかりで どえらくやったもんだ』 『麦は年貢の対象にならなんだしな。だから、作りもうけで一生懸命やったんだよ』 元本1978年 1986刊2019/05/26
ワタナベ読書愛
0
1986年刊行。電気がない時代の、長野県飯田地方の農家で実際に作業していた麦作りの様子を描いた絵本。機械がなかったから人力で手作業で。終わらなければ月明りや松明で夜中もやった。時計がないので、腹時計や星の位置や星座などで時間の見当をつけた。農協がないので、訪れた業者に作物を売った…今では想像できない生活が、たしかに数十年前にあった。今の生活がいかに便利であることか。ご先祖様たちが大変な努力をして生き残ってこられたかがよくわかる。今の感覚ではありえないが、昔はそれが普通だったという。ただひたすら尊い。2023/04/21