出版社内容情報
原発事故から15年、放射能に故郷を追われた人々の現実や暮らし、思いや願いを事故直後から寄り添い続ける写真と文で伝え、原発災害をどう記憶し、どう生きるかを問いかける。第66回産経児童出版文化賞大賞の続編。
【目次】
内容説明
福島県の沿岸部のほぼ中央にある浪江町は、東には太平洋、西には阿武隈の山々が広がり、山・川・里・海がつながる自然豊かな町です。ここには6つの小学校(学び舎)がありました。しかし、この学び舎はすべて閉じられました。東日本大震災と原発災害、そして避難の長期化で、多くの人びとは帰れなかったのです。そして、学び舎の解体が進められました。歴史ある学び舎の卒業生や町民からは、解体延期を求める声が多く寄せられました。しかし、その願いはかないませんでした。解体前には学校見学会が行われましたが、きれいに整理された教室は、さびしげでした。原発災害では、学び舎だけでなく、まちの家々や商店街なども消えていきました。いまそこには、人びとの暮らしがあったことを思い出すのも難しい風景が広がっています。原発事故から15年になろうとしていますが、ふるさとの浪江町に帰って暮らす人は、震災前のわずか1割ほどです。でも、帰らない人、帰れない人の心のなかにも、それぞれの消えない「ふるさと」があります。
著者等紹介
豊田直巳[トヨダナオミ]
フォトジャーナリスト。1956年、静岡県に生まれる。日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)会員。長年にわたり、イラクやパレスチナなどの紛争地で取材を続けるとともに、アジア各地の内紛・内戦などの「見えない戦争」を取材・報告してきた。また、児童労働や貧困問題など制度的な差別構造にもカメラを向けてきた。劣化ウラン弾問題やチェルノブイリの取材経験をもとに、東日本大震災後は福島を中心に取材活動を継続し、映画製作にも取り組む。取材で出会った人々が、困難に立ち向かう姿を記録し、人々の記憶に残る仕事を、と心がけている。『それでも「ふるさと」全3巻』(農文協)で第66回産経児童出版文化賞[大賞]受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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