出版社内容情報
地域住民が発案・協働し、手づくりの技で、身近な生物の生きる環境を回復する「小さな自然再生」が全国で進んでいる。本書は、北海道で地域住民の発意により行なわれている小さな自然再生、とくに「手づくり魚道」の取り組みを紹介しながら、地域の人々にとって身近な自然やそれと結びついた風景はどんな存在なのか、地域の力でそれを取り戻すことの意味は何かを問う。
内容説明
地域住民が発案・協働し、手づくりの技で身近な生き物の生息環境を回復する「小さな自然再生」が全国で広がっている。東日本大震災の被災地と、北海道釧路地方・三郎川をはじめとする「水辺の小さな自然再生=手づくり魚道」の現場。それら二つの現場から、人が人や自然とかかわりながら、空間の履歴を重ねることの意味を浮き彫りにする。
目次
序章 変貌した故郷の風景―失われた空間の履歴(巨大な防潮堤;失われた「空間の履歴」;礎石のメッセージ;自然とのかかわりを問い直す)
第1章 小さな自然再生との出会い―三郎川手づくり魚道ものがたり(緑の回廊づくりから手づくり魚道へ;立ち上がった住民たち;人の環と自然の環;生活空間に新たな履歴を重ねる)
第2章 広がる小さな自然再生(ふるさとの川を―北海道美幌町・駒生川;民がつなぐ環―釧路地方・釧路川支流;「小さな自然再生」研究会の取り組み)
第3章 なぜいま小さな自然再生なのか(「見試し」を重ねて得られるものは―岩瀬晴夫さんに聞く;自然とかかわる技術のあるべき姿―中村太士さんに聞く)
終章 小さな自然再生がひらく未来(桜の植樹に託す再生への願い;空間の改変と小さな自然再生;履歴を重ね続けることの意味;生きる場の風景の取り戻しを求めて;終わりにかえて―海に生きる人に、凪を)
著者等紹介
中川大介[ナカガワダイスケ]
1963年岩手県釜石市生まれ。1986年北海道大学文学部卒業。1992年北海道新聞社入社。記者として本社社会部・報道本部、千歳支局、函館支社報道部、厚岸支局、東北臨時支局などで勤務。1次産業や環境保全、自然災害などを取材するかたわら、趣味の渓流釣りやカヌーを通じて河川環境の現状に危機感を抱き、「人と水のかかわり」に関心をもって研究者や技術者、ジャーナリストらとともに「北海道淡水魚保護ネットワーク」「人と水研究会」といったグループで活動。2022年退社。現在はライター・編集者として函館市で「編集工房かぜまち舎」を主宰。NPO法人えんの森(北海道浜中町)、NPO法人はこだて街なかプロジェクト(函館市)に加わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
이오리