出版社内容情報
青森県の農家・木村秋則さんの『奇跡のリンゴ』(2008年)によって一気に知られるようになった自然栽培。肥料と農薬は使わないが、耕起や除草は必要に応じて行なう。著者によれば、放任ではとれない。自然栽培の本質は、「自律的栄養塩供給システムをつくる」こと。すなわち、肥料を与えなくても養分が供給されるようになる管理が必要。カギは土壌微生物。本書では、水田と畑に分けて無施肥でとれるしくみづくり、無農薬でとれるしくみづくりを解説。
内容説明
『奇跡のリンゴ』の木村リンゴ園、無肥料無農薬の野菜畑・水田で起きていることは何か。
目次
序章 有機農業の復権
1章 土壌の自律的栄養塩供給システムとは何か
2章 無肥料下での水田土壌の自律的栄養塩供給システム
3章 無肥料下での畑土壌の自律的栄養塩供給システム
4章 無農薬栽培の可能性
5章 除草剤を使わない雑草防除
6章 無農薬で害虫をどう抑えるか
7章 無農薬で病気をどう抑えるか
8章 自然栽培農産物はなぜおいしい
著者等紹介
杉山修一[スギヤマシュウイチ]
1955年札幌生まれ。北海道大学農学部卒業。農学博士。北海道大学農学部付属農場助手を経て弘前大学農学生命科学部・助教授、教授。2020年3月退職。1989年より2年間ハーバード大学生物進化学部留学。専門は植物生態学。2003年に『奇跡のリンゴ』に出会い、自然栽培の研究を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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無添
4
肥料を与えなくても養分が供給されるようになる管理が必要。カギは土壌微生物。2023/05/09
kamekichi29
3
無肥料と慣行農業の違いをデータなどを使って比較。無農薬、無肥料でやっていくにはどうすればよいかなど。 結構細かくて、かなり端折って読みました。2022/07/29
Yoshika Komatsu
1
◼️図書館本。 ◼️化学式などの難解な部分もあるが、土壌微生物の分析などから、無肥料栽培のメリットがよく分かる。 ◼️消費型vs倹約で、窒素が生物の戦略に与える影を解説。 ◼️慣行栽培草地の土壌微生物は、呼吸速度が高く、窒素の要求量も高く、浪費型の戦略を、一方、半自然草地の土壌微生物は、倹約型の特徴を持つ。 ◼️イモチ病の発生も、水田の窒素環境に関係。 ◼️腐敗と発酵:腐敗に関わる微生物は窒素を好む。2023/11/09
pocky
1
内容はかなり難しいけど、自然栽培がどんな面で違うのか、データをあわせて示していて「なるほど」と思うことがたくさんあった。さっぱりわからなかった章もあるけど、実践を繰り返しながらまた読み直したい。2023/03/07